「何を話せばいいかわからない」を脱出|長く続く会話のコツと心理法則
「沈黙が怖い」
「話題が思い浮かばない」
「続けなきゃ…と焦るほど頭が真っ白になる」
人と話すとき、こんなふうに“言葉が出てこない自分”に戸惑った経験はありませんか。
実は、会話が続かないのは“コミュ力が低いから”ではなく、
脳の仕組みや心理反応が原因であることが多いのです。
この記事では、そんな悩みを抱えるあなたに向けて——
- 会話が続かない本当の原因(脳と心理)
- 「何を話せばいい?」を解消する会話の型
- 沈黙が怖くなくなる“間”の使い方
- 話題が自然に増える質問テンプレート
- 初対面・デート・職場など場面別の会話例
を、恋愛心理ラボのキャラクターと一緒にやさしく解説していきます。
「話すこと」が苦手なままではなく、
“楽に続く会話”の作り方を身につけてみませんか?
なぜ「何を話せばいいかわからない」のか——心理と脳のメカニズム


沈黙が怖くて、気づくと頭が真っ白に…

“正しい話題”を探しすぎてるのかも!

会話とは“情報交換”以上に“安心の交換”なのじゃよ
会話が続かないとき、私たちは「言葉が出ない自分」に焦りを感じがちです。
しかし“話す内容を持っていない”のではなく、
心理と脳が負荷に耐えきれず、言葉が止まってしまっていることの方が多いのです。
ここでは、「何を話せばいいかわからない」状態の裏側で、
心と脳に何が起きているのかを分解していきます。
沈黙恐怖の正体——評価不安・完璧主義・話題の“正解探し”
会話が止まってしまう最大の理由は、
「沈黙=失敗」という誤解が根底にあるからです。
沈黙が怖いと感じる背景には、次の3つの心理が重なっています。
①評価不安
「変に思われたらどうしよう」
「話題がつまらないと思われたら…」
こうした“相手からの評価”を気にするあまり、
言葉よりも自分の印象づくりに意識が向いてしまいます。
②完璧主義
「何か気の利いた話をしなきゃ」
「場を盛り上げなきゃ」
——そんな“正解の会話”を求める思考が、
かえって言葉を止めてしまいます。
③話題の正解探し
話題を選ぶ基準が「失敗しないこと」になると、
どの話題も不適切に思えてしまい、次第に脳がフリーズします。
沈黙は悪いものではなく、
“余白があるからこそ関係が深まる時間”であるにも関わらず、
私たちはそれを恐れるよう訓練されてしまっているのです。
会話疲れは脳の負荷(同時処理:聴く/考える/好かれたい)
「会話が疲れる」という人が増えている背景には、
脳科学的な理由もあります。
会話中、脳は次の“3つのタスク”を同時処理しています。
- 相手の言葉を聴く(情報処理)
- 次に何を話すか考える(思考の準備)
- 好印象を保つ(社会的自己の調整)
この3つを同時に行うだけで、
脳は短時間で多くのエネルギーを消費します。
さらに、相手が気になる人や初対面の場合は、
「好かれたい」「変に思われたくない」という
追加の心理負荷がのしかかり、脳が一気に“過熱状態”になります。
その結果——
頭が真っ白になる/話す言葉が出てこない
という状態が生まれるのです。
これは“会話が苦手”だから起きるのではなく、
脳が情報処理に追いつかなくなるのは自然な現象なのです。
目的が曖昧だと続かない(雑談=関係の潤滑油という再定義)
そもそも「会話が続かない」と悩む人の多くは、
“会話の目的”が曖昧なまま話していることが多い傾向があります。
目的が曖昧だと、
脳は「どんな方向に話を進めればいいか」が分からず、
話題を探し続けるために疲れてしまいます。
しかし、雑談の本質は「情報交換」ではなく、
“関係の温度を整えるための潤滑油”です。
- 面白い話をしなくてもいい
- 話題を提供し続けなくてもいい
- 沈黙があっても関係は壊れない
この“雑談の再定義”を持っているだけで、
会話への心理的負担が大きく軽減されます。
会話は、言葉よりも
「安心」をやり取りする時間なのです。
会話が続く人の“型”——黄金ループ〈聴く→拾う→広げる〉
会話が自然に続く人は、生まれつき話が上手いわけではありません。
彼らは例外なく、〈聴く → 拾う → 広げる〉という“会話の型”を持っています。
この3つを意識するだけで、
「次に何を話せば…」という不安が消えていき、
会話は驚くほど自然に続くようになります。
ここでは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
まず“聴く”の型(オープンクエスチョン×感情の言葉を拾う)
会話を続けるうえで最も大切なのは、
実は“話す力”ではなく聴く力です。
特に重要なのが次の2つ。
① オープンクエスチョン(広がる問い)
「はい / いいえ」で終わらない質問を選ぶこと。
- 「どんなふうに感じた?」
- 「何がきっかけだったの?」
- 「最近ハマってることある?」
こうした質問は、相手の話す量を自然に増やし、
会話が“勝手に広がっていく”きっかけになります。
② 感情の言葉を拾う
相手の話の中にある“気持ち”に注目します。
- 「大変だった」
- 「嬉しかった」
- 「不思議だった」
- 「意外だった」
感情を拾うと、その後に続く話が見つかりやすくなり、
相手も「もっと話したい」と感じやすくなります。
会話が続く人ほど、
“事実”より“感情”を聴いているのです。
“拾う”の型(言い換え・要約・相槌の質)
聴くだけでは会話は続きません。
相手の言葉を“拾う”ことで、
会話の流れに自然なリズムを作れます。
① 言い換え
相手の言葉を別の表現で返すだけで、
相手は「理解されている」と感じやすくなります。
- 相手:「最近忙しくて」
- あなた:「やることが多くて大変なんだね」
② 要約
少し長い話の後に「つまり〜ってことだよね」と整理する。
脳科学的に“理解の再確認”は安心感を生みます。
- 「まとめると、○○ってことなんだね」
③ 相槌の質
「へぇ」「なるほど」だけでなく、
感情を含んだ相槌を加えると流れが止まりにくくなります。
- 「それは意外だね」
- 「それ、めちゃくちゃ大変じゃない?」
会話が続かない人の共通点は、“拾う”の量が少ないこと。
逆に会話が続く人は、
「相手の言葉を拾う→返す→また拾う」という
小さな循環を絶えず続けています。
“広げる”の型(MECE話題拡張:人/モノ/場所/時間/理由/方法)
会話が続く最大のポイントは、
相手の話題から“別の角度の問い”を作る力です。
ここでは、会話を広げるための最強フレーム
MECE(モレなくダブりなく)話題拡張を使います。
相手の話を、次の「6つの枝」に広げるイメージです。
① 人
「そのとき誰といたの?」
② モノ
「その映画、どんな雰囲気だった?」
③ 場所
「どこで食べたの?」
④ 時間
「いつ頃の話?」
⑤ 理由
「どうしてそれを選んだの?」
⑥ 方法
「どうやって見つけたの?」
どの話題も、この6つの方向に広げられるため、
途切れない“話題の枝”が無限に作れるのです。
研究員メモ

“広げる”は連想の設計。
枝を増やして、いつでも戻れる“幹”を残すことが大切です。
この〈聴く→拾う→広げる〉の黄金ループを身につければ、
「次に何を話す?」と焦る時間がほとんどなくなります。
会話とは、“知識量”ではなく“流れの作り方”なのです。
沈黙を味方にする5つのテク——“間”は不安ではなく技術

多くの人が「沈黙=気まずい」と感じます。
しかし実際は、沈黙そのものに問題があるのではなく、
“沈黙をどう扱うか”が会話の質を決めているのです。
心理学では、沈黙は「思考の整理」「安心の確認」「次の話題の準備」に役立つ
“関係構築のための時間”でもあるといわれます。
ここでは、沈黙を怖がるのではなく、
味方に変えるための5つのテクニックを紹介します。
3秒ルール(沈黙を3秒受け止めると相手が話を足す)
沈黙が訪れた瞬間、焦って無理に話題を作ろうとしていませんか?
しかし、会話の研究によると、
相手は沈黙の後“1〜3秒”の間に続きを話すことが多いと分かっています。
つまり、沈黙が訪れたら…
① 深呼吸して3秒待つ
② 相手の反応を見守る
これだけで、自然に会話が続きやすくなります。
沈黙を“空白”ではなく、
相手が言葉を探している時間として尊重することが重要です。
再起動フレーズ(「さっきの話で思い出したんだけど」)
どうしても会話が途切れたときのために、
いくつか“会話の再起動スイッチ”を持っておくと安心です。
使えるフレーズはとてもシンプル。
- 「さっきの話で思い出したんだけど…」
- 「そういえば、この前○○があってね」
- 「話が戻るんだけど…」
- 「ちょっと聞いてみたいことがあって」
これらは会話の流れを邪魔しないうえに、
不自然さもまったくありません。
再起動フレーズは、
“会話の安全装置”のようなもの。
持っているだけで、沈黙の不安が半分以上減ります。
視線と環境を使う(目に入ったモノを話題化=環境アンカリング)
「話題がない」と感じるのは、
頭の中だけで話題を探そうとしているからです。
実は、視線を環境に広げるだけで話題の材料は無限にあります。
- カフェの飾り
- テーブルの飲み物
- お店のBGM
- 天気
- 相手の持ち物
これらを使って、
“見えたもの→連想→質問”
という流れを作れば、会話は自然に再起動します。
例
「このカフェ、落ち着いた音楽だね。普段はどんなジャンルを聴くことが多い?」
「そのバッグかわいいね。どこで買ったの?」
環境を話題のきっかけにすることを、
心理学では環境アンカリングと呼びます。
自己開示の比率(1:1~1:1.5で“開示の返報性”を起動)
沈黙を怖くなくする最強の方法は、
自己開示のバランスを整えることです。
会話の研究で知られる「開示の返報性」とは、
“相手の心の開き具合に合わせて、自然とこちらも話す量が変わる”という法則。
これを恋愛や雑談に応用すると——
相手:自分 = 1:1〜1:1.5
くらいがもっとも話しやすい比率です。
つまり、
- 相手が短く話す → 自分も短く
- 相手が感情まで話す → 自分も少し感情を足す
- 相手が深く話す → 自分も少し深く
この“調整力”があるだけで、
沈黙の不安は大きく減ります。
沈黙は、
会話が壊れた“証拠”ではなく、
心が次の言葉を探している合図なのです。
研究員メモ

“間”を怖がらないだけで、相手の話す量が増えるんですね
沈黙を敵ではなく味方にできたとき、
会話はより穏やかに、より深く続くようになります。
“話題の量”ではなく、“安心の量”が会話の質を決めるのです。
“話題が尽きない人”のネタ帳——カテゴリ×フックの作り方
「話題が思いつかない…」
「雑談のネタって、どう作ればいいの?」
そんな悩みを持つ人ほど、実は“話題の探し方”を知らないだけです。
会話が自然に続く人が必ずやっているのは、
話題をカテゴリで整理し、“フック”をつけて相手に渡すこと。
ここでは、今日から誰でも使える
話題カテゴリ10+フックの型+TPO別スターターを紹介します。
話題カテゴリ10(最近/仕事外/食/出身/季節/予定/メディア/場所/学び/小さな喜び)
話題作りは「ゼロから生み出す」のではなく、
“引き出し”をカテゴリーごとに持っておくことがコツです。
話題が尽きない人が必ず持っているカテゴリはこの10個。
① 最近の出来事(ライト)
「最近、ハマってることってある?」
② 仕事“以外”のこと
「仕事の休みの日ってどんなふうに過ごしてる?」
③ 食の話(外食・料理・好きな味)
「普段よく行くお店ある?」
④ 出身・育った環境
「地元はどんな雰囲気の場所?」
⑤ 季節の話題(イベント・天気・体調)
「今年の夏、長かったね。何かした?」
⑥ 今後の予定・楽しみ
「近々楽しみにしてることある?」
⑦ メディア(映画/ドラマ/SNS/本)
「最近見た作品で、面白かったものある?」
⑧ 場所(よく行くスポット・好きな雰囲気)
「落ち着く場所ってどんなところ?」
⑨ 学び・成長
「最近“知ってよかった”と思うことあった?」
⑩ 小さな喜び・癒し
「最近“これ嬉しかったな”って瞬間、あった?」
これだけで、どんな相手とも会話が途切れません。
ポイントは、
“難しい話題”ではなく“答えやすいライトな話題”を中心に置くこと。
これが雑談を続ける最大のコツです。
フックの型(事実→感情→問い)
雑談を続けるうえで強力なのが、
フック(引っかかり)をつけた話題の渡し方です。
ただの情報では会話は広がりません。
感情を一滴だけ混ぜることで、会話がふわっと開きます。
使えるテンプレートはこちら。
フックの型(最強テンプレ)
事実 → 感情 → 問い
例
「今日、夕方の空がすごくきれいで、ちょっとほっとした。
最近、安心した瞬間ってあった?」
この流れが強力な理由は3つ。
- “事実”は相手が受け取りやすい
- “感情”があると相手が安心して心を開ける
- “問い”があると自然に会話が続く
たった1行の工夫で、
雑談は止まらず、気まずさも消えます。
TPOテンプレ(初対面/デート/同僚/オンラインでの鉄板スターター各5)
状況に合わせた“鉄板の話題”を持っておけば、
会話のスタートで迷う時間がゼロになります。
初対面で使えるスターター(5つ)
- 「ここまで来るのって、迷わなかった?」
- 「最近ハマってるものある?」
- 「普段どんな休日が多い?」
- 「出身どちらなんですか?」
- 「好きな食べ物って何ですか?」
デートで使えるスターター(5つ)
- 「このお店、雰囲気よくて落ち着くね」
- 「最近、嬉しかったこと何かある?」
- 「普段どんな音楽聴くの?」
- 「今日はどんな気分?」
- 「行ってみたい場所ってある?」
同僚向けスターター(5つ)
- 「今のプロジェクト、どう進んでる?」
- 「最近、どこか行きました?」
- 「おすすめのランチあります?」
- 「週末どう過ごされました?」
- 「ちょっと聞きたいことがあるんですが…」
オンライン(リモート)用スターター(5つ)
- 「背景のお部屋、すごく素敵ですね」
- 「今日の回線、調子よさそうで安心しました」
- 「最近読んだ記事で印象的なものありましたか?」
- 「今日の天気、そちらはどうですか?」
- 「今の時間帯、お忙しくなかったですか?」
どれも“はい/いいえ”で終わらないオープン型のため、
自然と相手の話が増えます。
研究員メモ

“事実だけ”より“感情ひとしずく”の方が相手は話しやすいよ!
話題が尽きない人は、知識量が多いわけではありません。
“カテゴリの引き出し”と“感情のフック”を使っているだけ。
それだけで会話の印象は大きく変わります。
“続く会話”に変わる心理法則——好奇心・類似性・返報性

会話が自然に続く人は、“話すのが得意”なのではありません。
相手が話しやすくなる“心理のスイッチ”を押すのがうまいだけです。
ここでは、会話をラクに、自然に続けるための
好奇心・類似性・返報性・ピーク・エンド則を、「使い方」まで踏み込んで解説します。
好奇心の法則(未知の割合を20~40%に保つ:難易度調整)
会話は「全部知っている話」でも「全く知らない話」でも続きません。
脳がもっとも“聞きたい”と感じるのは、
既知60〜80%:未知20〜40%のバランスのとき。
実践例
NG:「それ何?知らない。教えて。」(未知100%=負荷が大きい)
OK:「あ、それ少し聞いたことあります!具体的にはどんな感じ?」(既知×未知のミックス)
相手の話に、
「少し知ってる」「最近見た」「名前だけ聞いた」
などの“既知の橋”を作るだけで、会話が一気に楽になります。
難しい話題でも、
“完全に知らない”状態を避け、知っている部分を必ず1つ見つける。
これが会話を続けるコツです。
類似性の法則(共通点の早期発見:出身/趣味/価値観)
心理学では、
共通点は“好意”と“会話の量”を増やす最大の要因と言われています。
ポイントは、
大きな共通点より、小さな共通点の数を増やすこと。
すぐに見つかる小さな共通点
- 出身(都道府県・気候・方言)
- 食の好み(甘い/しょっぱい/辛い)
- 休日の過ごし方
- 朝型/夜型
- 苦手なこと(人混み・寒さ・早起き)
実践例
「僕も、あの空気の感じ好きなんですよ!」
「休日にのんびりするの、同じですね」
これは“同じだね”の積み重ね。
多くの人は 「共通点の数」=「安心感」として無意識に処理します。
返報性の法則(小さな自己開示→相手の開示が増える)
返報性とは、
「何かをもらうと返したくなる」心理のこと。
会話では、
小さな自己開示をすると、相手も少し開示してくれるという形で働きます。
実践の順番(超重要)
- 事実を少し話す
- 気持ちを少し添える
- 相手に小さな質問を返す
例
「昨日ちょっと疲れてて、コーヒー飲んだら落ち着いたんです。
〇〇さんは、リフレッシュしたい時どうします?」
“重くない”、でも“透明な感情”がある。
これが会話を自然に深めてくれる鍵です。
ピーク・エンド則(終わり際の一言で“次回”を作る)
人は、会話が終わった“最後の印象”で、
次に話したいかどうかを判断すると言われています。
つまり、
終わり方の質=次回の会話が生まれる確率。
次につながる“終わり方テンプレ”
- 「今日話せてよかった。また聞かせてくださいね」
- 「この続き、また今度教えてください」
- 「また話しましょう。楽しみにしてます!」
たった一言で、
相手の脳は「この人とは話しやすかった」と記憶し、
次の会話が自然にスタートします。
研究員メモ

法則は“安心の設計図”。意識するほど自然体に近づきます。
この4つの心理法則を押さえるだけで、
会話は“続けようと努力するもの”から
気づいたら続いている自然な流れへと変わります。
場面別テンプレ30——初対面・デート・職場・オンライン
会話が続く人は、“話題を無限に持っている”わけではありません。
実は 「場面ごとに使う“型”を持っている」だけです。
ここでは、初対面〜デート〜職場〜オンラインまで、
どんな人でもすぐ使える30のテンプレを紹介します。
初対面(名前→興味→共通点→軽い予定)×5例
初対面は「情報が少ない=不安が大きい」状態。
不安を下げるには、“名前”“興味”“共通点”“軽い未来”の順で展開すると自然です。
- 「○○さんって呼んでもいいですか?最近、何にハマってます?」
- 「普段どんなふうに過ごすのが好きなんですか?あ、僕もわりと同じタイプかもです。」
- 「この場所(イベント/お店)、来るの初めてです?おすすめの過ごし方とかあります?」
- 「職場ではどんなことされてるんですか?へえ、その中で一番好きな瞬間ってどんな時ですか?」
- 「よかったら、またこんな感じでゆるく話しましょう。今日けっこう安心して話せました。」
デート(今→過去→未来の順で感情を温める質問)×10例
デートでは“距離の縮まりすぎによる警戒”を避けるため、
今 → 過去 → 未来の順で深度を上げると自然です。
今の話題(軽め)
①「今日ここに来る前、どんな一日でした?」
②「最近、“これ好きだな”って思った瞬間あります?」
③「今、気分がほっとすることってありますか?」
過去(少し深め)
④「昔からずっと好きなことってあります?」
⑤「最近“自分らしいな”って思えた出来事あります?」
⑥「子どもの頃の思い出で、ふとよみがえるものあります?」
未来(距離が近づく)
⑦「近いうちにやってみたいことってあります?」
⑧「どんな時間が増えたら幸せって感じます?」
⑨「もし、気分転換に“半日自由時間”あったら何したい?」
⑩「季節が変わったら、一緒に行ってみたい場所とかあります?」
※未来を聞く=“暗黙の共同性”が生まれ、関係が前進します。
職場(タスク越し→人となり→応援の一言)×10例
職場の雑談は“安全”が最優先。
仕事の話(安全)→価値観(小さく)→応援の一言が黄金比です。
タスク越しの安全トーク
①「今日のあの案件、どんな感じです?」
②「最近、やりやすかった仕事ってどれでした?」
③「逆に、時間かかったタスクありました?」
人となり(価値観の一滴)
④「仕事の中で、どんな部分が好きなんですか?」
⑤「疲れたとき、どうリフレッシュしてます?」
⑥「通勤中に聴く定番とかあります?」
⑦「ランチって、いつも決まったパターンあります?」
応援の一言(返報性が生まれる)
⑧「その考え方、すごく参考になります。」
⑨「○○さんの進め方、安心感あります。」
⑩「また一緒に進められたら心強いです!」
※“評価ではなく、姿勢を褒める”がポイント。
オンライン(視界共有・背景トーク・ラグ対策)×5例
オンラインは“共有している空間がない”ため、
お互いの視界を言語化することが会話の要になります。
① 視界共有
「その背景、落ち着いてていいですね。どんな雰囲気の場所なんですか?」
② 小物フック
「今、飲んでるの何です?なんかおいしそう。」
③ 天候共有
「そっち、今日天気どうです?画面越しでも光が柔らかいですね。」
④ ラグ対策フレーズ
「ちょっとラグあるかもだけど、ゆっくりで大丈夫ですよ!」
⑤ 画面越しの感情共有
「その話、表情が少し明るくなりましたね。好きな話なんですね。」
ハートン小コラム

“はい/いいえ”で終わらない問いってね、
“最近どう感じた?” って聞くだけでも全然違うんだよ!
感情を聞く=相手の“人となり”が出るから、話が自然に広がるんだ!
続く会話のメンテナンス——不安が出たら“会話日記”で調律
会話は“センス”ではなく “再現可能な技術”。
だからこそ、不安が出たときほど メンテナンス(調律) が効果を発揮します。
続けやすい・効果が出やすい・心理学的にも妥当な、
「3つの調律ステップ」を紹介します。
会話日記の3行(場面/うまくいった点/次の一手)
会話日記は長く書く必要はありません。
たった3行で“会話の型”が身体に定着します。
書くのは次の3つだけ
- 【場面】どういう状況だった?
(例:初対面/同僚との昼休み/オンライン打合せ など) - 【うまくいった点】小さな成功1つでOK
(例:「相槌のタイミングが自然だった」「質問が1つ増えた」) - 【次の一手】次回の“1ミリの改善”
(例:「相手の感情ワードをもう1個拾う」)
この3行だけで、
会話力=“改善サイクル”の技術が自然に育っていきます。
自動思考の修正(“正解探し”→“安心づくり”へ言い換え)
会話が苦手な人の多くは、
「何を言えば正解?」という “正解思考” にとらわれがちです。
しかし、会話の目的は 正解ではなく“安心の共有”。
言い換えの例
- ✕「面白い話をしなきゃ」
- ○「相手が話しやすい空気を作ればいい」
- ✕「沈黙は失敗」
- ○「沈黙は“考えてる時間”として自然」
- ✕「嫌われないようにしなきゃ」
- ○「安心してもらえたら十分」
思考の半分が“安心”に振れるだけで、話題が増え、自然体が戻ります。
継続ルーティン(週2回の会話練習/観察→模倣→微調整)
“続く会話”はスポーツと同じで、
重すぎない練習がいちばん効果的です。
おすすめの週2回ルーティン
- 観察:上手い人の会話を観察(動画・職場・配信など)
→ どこで拾い、どこで広げているか分析 - 模倣:そのまま1つ真似してみる(質問 or 相槌)
→ 完全コピーでOK(心理学的にも“モデリング”は効果大) - 微調整:次に同じ場面で“1ミリ変える”
→ 質問の順番/相槌の深さ/感情の拾い方など
「観察 → 模倣 → 微調整」を回すことで、
会話スキルは“技術として自然に上書き”されていきます。
研究員メモ

“できた一つ”を書くだけで、
次はもっと話せる気がしますね。
小さく積み上がると、自然に話せる日が増えていきます。
まとめ|会話は“技巧”より“安心”——関係が育つ速度で話そう
会話を続けるうえで大切なのは、
「話題の豊富さ」でも「おもしろさ」でもなく、“安心が続く場”をつくること。
上手に話そうとしすぎるほど緊張が増え、
自然体の会話は遠ざかってしまいます。
だからこそ、今日紹介したポイントは
“うまくやるためのテクニック”ではなく
“心の余白を作る技術” として使ってみてください。
では最後に、全体の要点を3行でまとめます。
3行要約(今日のポイント)
- 会話の黄金ループ〈聴く→拾う→広げる〉が“続く会話”の土台
- 話題は“事実”ではなく“感情のフック”を乗せると自然に広がる
- 沈黙は敵ではなく“間の技術”。3秒受け止めるだけで安心が生まれる
この3つを意識するだけで、
“話題探しに追われる会話”が“落ち着いて続く会話”へ変わっていきます。
ことのは所長のラボノート

会話とはのう、“心の温度”を整える儀式なのじゃ。
上手に話すよりも、安心が続くことが何より大切じゃよ。
関係が育つ速度に合わせて、ゆるやかに言葉を紡ぐのじゃ。


