愛され方のクセはどこから来る?愛着スタイル・愛着タイプで読み解く恋愛心理入門
人を好きになるたびに、少し似たようなところでつまずいてしまう。
相手は違うはずなのに、気づくと同じような不安や後悔をくり返している。
そんなとき、「私の愛され方には、何かクセがあるのかもしれない」と感じることがあるかもしれません。
恋愛のたびに現れるパターンは、「性格が悪いから」でも「努力が足りないから」でもありません。
これまでの人間関係の中で、心が時間をかけて身につけてきた「愛され方と愛し方のルール」です。
心理学では、このルールの傾向を整理する考え方として「愛着スタイル」や「愛着タイプ」という枠組みがあります。
この記事では、専門用語をできるだけかみ砕きながら、自分の愛され方のクセをやさしく見つめ直していきます。
「自分はダメだ」と責めるためではなく、「こういう傾向があるなら、こう付き合ってみよう」と選択肢を増やすための入門編です。
この記事で分かること
- いつも同じ恋愛パターンをくり返してしまう背景と、心の中で起きていること
- 愛着スタイル・愛着タイプ(安定型・不安型・回避型など)の基本と恋愛パターンの違い
- 自分の「愛され方のクセ」をやさしく振り返るセルフチェックの視点
- 愛着スタイルを欠点ではなく「心の生存戦略」として捉え直す考え方
- 恋愛に振り回されにくくするための「安全基地」と、自分らしい恋愛の軸の育て方

相手が変わっても、結局いつも似たようなところで不安になって、同じような終わり方をしている気がして…。
私の愛され方そのものに、何か問題があるのかなって考えてしまいます。

“愛されグセ”とかって一言で言われるとドキッとするけど、実は心が覚えたパターンがあるだけ、ってことなのかもしれないよね!

愛着スタイルというのは、生まれつきの才能ではなく、これまでの人間関係の中で心が学んできた生き方なのじゃよ。良し悪しで裁くのではなく、自分の傾向をそっと照らしてみるところから、一緒に見ていこうかのう。
どうして私はいつも同じパターンに?「愛され方のクセ」を見つめる第一歩

相手は毎回違うはずなのに、気づくといつも似たような終わり方になってしまうことってありませんか?
「また同じことをくり返してる…」と思うと、自分に何か決定的な欠陥があるような気がして、苦しくなってしまいますよね。
「愛され方のクセ」を見つめる第一歩は、自分を責めることでも、誰かを悪者にすることでもありません。
ただ静かに、「自分はどんなときに同じパターンに入りやすいのか」を観察してみることです。
ここではまず、
- 「また同じ失敗をした」と感じるとき、心の中で何が起きているのか
- その背景にある「育ってきた環境」や「過去の経験」
- それらを整理するフレームとしての「愛着スタイル」という考え方
をやさしくたどっていきます。

「また同じ失敗をした」と感じるときに心の中で起きていること
恋愛がうまくいかなかったとき、多くの人はまず自分を責めるか、相手を責めるかのどちらかに傾きやすくなります。
- 「あのときあんなこと言わなければよかった」
- 「どうしていつも、相手の気持ちを試すようなことをしてしまうんだろう」
- 「結局、私をちゃんと大事にしてくれる人なんていない」
こんな言葉が頭の中にぐるぐる回り始めるとき、心の中では次のようなことが起きています。
- 出来事を“失敗”としてまとめてしまう
「あの一言が失敗だった」「あの行動がダメだった」と、ある一点だけに原因を押し込めてしまいやすくなります。
その結果、自分の価値そのものが否定されたように感じてしまうことがあります。 - 相手か自分か、どちらかに“悪者”をつくろうとしてしまう
つらさを整理するために、「あの人が悪い」「私がダメ」と、シンプルなストーリーにまとめようとすることがあります。
これは心が混乱を収めようとする自然な動きですが、どちらか一方だけを責め続けると、自分も相手も理解しにくくなります。 - 「いつもこうなる」というラベルで過去の恋愛を一括りにしてしまう
本当は少しずつ違うパターンがあるのに、「結局いつも同じ」「どうせまたこうなる」とまとめてしまうことで、
自分が変化してきた細かな部分に気づきにくくなります。
「また同じ失敗をした」と感じる瞬間は、苦しい反面、自分の中の“くり返しパターン”に気づくタイミングでもあります。
そのときに、すぐに結論を出すのではなく、
- どんな場面で
- どんな気持ちになって
- どんな行動を取りやすいのか
を、少しだけ丁寧に振り返ってみることが、「愛され方のクセ」を理解する入り口になっていきます。
“愛され方のクセ”は性格だけで決まらない
「私ってこういう性格だから、恋愛がうまくいかないんだ」と思ってしまうことがあります。
でも、“愛され方のクセ”は、生まれつきの性格だけで決まるものではありません。
影響しているものには、例えば次のようなものがあります。
- 育ってきた環境
家族との関係や、子どもの頃にどのように接してもらったか。
つらいときに寄りそってもらえたか、気持ちを言葉にしたときに受け止めてもらえたか。
こうした経験は、「人に頼ってもいいのか」「感情を出しても大丈夫なのか」という心の土台に影響します。 - 安心できた経験の有無
友人関係や部活動、職場などで、「自分のままでいても受け入れてもらえた」と感じた経験があるかどうか。
一度でも「ちゃんと話せば分かってもらえた」という体験があると、人との距離のとり方に少し余裕が生まれやすくなります。 - 過去の恋愛から学んだ“心のルール”
たとえば、
「本音を言うと嫌われたことがあるから、本当の気持ちは隠した方がいい」
「追いかけないと相手は離れていってしまう」
というような、経験から身についた独自のルールが、次の恋愛にも持ち越されることがあります。
こうしたたくさんの要素が重なり合って、今の「愛され方・愛し方」のパターンが形作られています。
つまり、今のクセは“ダメな性格”の証明ではなく、これまでの環境の中で心ががんばって身につけてきた方法でもあるのです。
この視点に立つと、
「直さなきゃいけない欠点」ではなく、
「どう付き合っていくか選び直してもいいパターン」
として、自分のクセを見られるようになっていきます。
愛着スタイルという考え方の入口
ここで役に立つのが、「愛着スタイル」「愛着タイプ」という心理学の考え方です。
愛着スタイルとは、簡単に言うと、
「人との距離をどうとるか」
「不安なときにどう反応しやすいか」
といった、対人関係のクセを整理するためのフレームです。
- 相手をわりと信頼しやすく、安心して距離をとったり近づいたりできるタイプ
- 相手の気持ちが気になり過ぎて、不安になりやすいタイプ
- 近づきすぎるとしんどくなり、距離を取りたくなるタイプ
など、いくつかの代表的なパターンに分けて、「あるある」の形で理解しようとするものです。
もちろん、人はそんなに単純ではありません。
状況や相手によって反応が変わることも多く、「私はこれ」と一つに決めつける必要はありません。
ただ、愛着スタイルという枠組みを知っておくと、
- 「ああ、これは私だけじゃなくて、こういうパターンとしてよくあるのかもしれない」
- 「こういう反応をしがちなのは、これまでの経験と関係しているのかも」
と、自分の振る舞いを少し客観的に見られるようになっていきます。
次の章からは、この愛着スタイルの考え方を使いながら、
「どうして今の愛され方のクセができてきたのか」
「そこからどんな選択肢がありうるのか」
を、ゆっくり整理していきます。
研究員メモ

ここで扱うのは、「性格の良し悪し」ではなく、「心がこれまでの環境で身につけてきたクセ」です。
自分を裁くためではなく、「こういう傾向があるなら、どう付き合っていこうか」と考えるための道具として、愛着スタイルを使っていきましょう。
愛着スタイルとは?子どもの頃の安心感と大人の恋愛のつながり
研究員メモ

愛着理論は、「子どもの頃にどれくらい安心して甘えられたか」と「大人になってから人との距離をどうとるか」の関係を整理して考えるための枠組みです。
ここでは専門用語をできるだけ減らして、恋愛にどうつながるのかだけをシンプルに見ていきます。

愛着理論の基本:「安心して甘えられる」感覚が土台になる
愛着理論の出発点にあるのは、「人は安心できる相手がいるときに、外の世界にも挑戦しやすい」という考え方です。
子どもにとっては、その相手が多くの場合、親や養育者になります。
小さな子どもを思い浮かべてみてください。
知らない場所で不安になったとき、親のそばに戻ってきてしがみつきます。
しばらく抱っこや声かけで落ち着くと、また少し離れて、周りを探検し始めます。
この「不安になったら戻れる」「戻ったら落ち着ける」「落ち着いたらまた離れられる」という循環が、安心して甘えられる感覚の土台になります。
心理学では、このような相手のことを「安全基地」と呼ぶことがあります。
愛着理論は、
- 不安なときに、どれくらい「誰かに助けを求めやすいか」
- 安心したときに、どれくらい「自分でやってみようと思えるか」
といった、心の動きをセットで捉えようとする理論です。
これは子ども時代に限らず、大人になってからの恋愛や人間関係にもそのままつながっていきます。

「親との関係」とかって聞くとちょっと重たく感じるけど、「小さい頃、どれくらい“なんとなく安心”できてたかな?」ぐらいのイメージで読んでもらえれば大丈夫だよ。
子どもの頃の「ケアのされ方」が残した心の足あと
子どもの頃に、周りの大人からどうケアされてきたかは、大人になってからの「人への期待」に影響しやすいと言われます。
ここでいうケアとは、特別な出来事というより、日常の中の小さな積み重ねです。
例えば、次のような経験です。
- 泣いたり困ったりしたとき、話を聞いてもらえたかどうか
- 怒られた後でも、「あなたが嫌いなわけじゃない」と安心させてもらえたかどうか
- 失敗したときに、責められるだけでなく、挑戦したことそのものを認めてもらえたかどうか
いつも完璧に、という話ではありません。
どの家庭にも余裕がない時期はありますし、親も一人の人間です。
ただ、「困ったときに助けを求めてもいい」という感覚がどれくらい育ったかは、その後の人生でじわじわ効いてきます。
- 困ったときに「誰かに頼ってもいい」と思える人は、恋愛でも不安を言葉で共有しやすくなります。
- 逆に、「頼ると迷惑になる」「自分で何とかしないと」と強く感じてきた人は、恋愛でも一人で抱え込みやすくなります。
また、子どもの頃に「感情を出したときにどう扱われたか」も、心の中に足あとを残します。
- 泣いたときに「泣くな」とだけ言われ続けた人は、感情を見せること自体に抵抗を持ちやすくなります。
- 怒ったり悲しんだりしたときに、「そう感じるのは自然なことだよ」と受け止めてもらえた経験が多い人は、自分の感情を信じやすくなります。
これらはあくまで「傾向」であり、
「こうだったから、こうなる」と一対一で決まるわけではありません。
ただ、子どもの頃のケアのされ方は、大人になってからの「人をどれくらい信じていいか」「自分をどれくらい出していいか」という感覚の土台になりやすい、ということです。
大人になってからの恋愛で「愛着スタイル」が表に出てくる場面
子どもの頃に形づくられた「人への期待」や「甘え方・頼り方」は、大人になってからも完全に消えるわけではありません。
特に恋愛のような親密な関係では、その傾向が表に出やすくなります。
愛着スタイルが顔を出しやすいのは、例えば次のような場面です。
- 不安を感じたとき
相手からの返信が遅い、距離を感じるような言葉を言われた、忙しそうで構ってもらえない。
こうしたときに、「もう嫌われたかもしれない」と強く不安になりやすい人もいれば、何も感じないように心のスイッチを切ろうとする人もいます。 - 距離が縮まってきたとき
付き合い始めて関係が深まり、相手が自分の生活の中で大きな存在になってきた段階です。
ここで、もっと一緒にいたくなる人もいれば、逆に「これ以上近づくと重くなる」と感じて距離を取りたくなる人もいます。 - ケンカや意見の違いが生まれたとき
相手とぶつかったとき、すぐに謝って関係をつなぎ止めようとする人もいます。
反対に、感情が高ぶる前に物理的な距離をとったり、何も言わなくなったりする人もいます。
どちらも、その人なりの「関係を壊さないための防衛」として出ていることが多いです。
このような場面で、自分がとりがちな反応には、子どもの頃からの「安心感のパターン」や「人への期待」が反映されていることがあります。
これが、愛着スタイルが大人の恋愛に関わってくる部分です。
ここまでをまとめると、愛着スタイルとは次のように言い換えられます。
- 「不安になったとき、私はどう振る舞いがちか」
- 「距離が近づいたとき、私はどう感じやすいか」
- 「ぶつかったとき、私はどう関係を守ろうとするか」
こうした傾向のセットを、少し整理して見やすくしたものが、愛着スタイルなのだとイメージしてみてください。
次の章では、その代表的なタイプと、恋愛パターンの違いを具体的に見ていきます。
3つの代表的な愛着スタイルと恋愛パターンの特徴

自分がどのタイプなのかってラベリングされるのは、正直ちょっと怖いですよね。
でも「これが絶対の診断結果」というより、「こういう傾向があるのかもしれない」という目安として知っておけたら、少しラクになる気もします。
愛着スタイルにはいくつかの分類がありますが、ここでは恋愛の場面でよく使われる
安定型・不安型・回避型
という三つにしぼって見ていきます。
完璧にどれか一つに当てはまる必要はありません。
「近いところはどこか」「これは自分とは違いそうだ」という感じで、肩の力を抜いて読んでみてください。
研究員メモ

ここでは実務的に、安定型・不安型・回避型という3分類で整理します。
それぞれの特徴は「人格そのもの」ではなく、「不安や距離感にどう反応しやすいか」という傾向として押さえておいてください。
安心して寄りそえる「安定型」の恋愛パターン
安定型の人は、基本的に「自分は大事にされてよい」「相手も信頼してよい」という感覚を持ちやすいタイプです。
そのため、恋愛の中でも次のような特徴が出やすくなります。
- 相手のことを比較的信じやすい
- 一緒にいたい気持ちと、一人の時間を大切にしたい気持ちの両方を調整しやすい
- 意見がぶつかっても、「話し合えば何とかなるかもしれない」と感じやすい
具体的な場面でいうと、返信が少し遅れても
「忙しいのかな。落ち着いたら返ってくるだろう」
と受け止められたりします。
もちろん、不安になることがないわけではありません。
それでも、
- 不安をそのまま抱え込まずに言葉にしやすい
- 相手の反応も「自分への評価」だけでなく「その人の事情」として考えやすい
という点が、安定型の大きな特徴です。
安定型は「完璧な理想像」というより、
不安や距離の変化があっても、関係を信じる力と調整する力が比較的働きやすいパターンと考えるとイメージしやすいでしょう。
相手の気持ちが気になりすぎる「不安型」の恋愛パターン
不安型の人は、「見捨てられるかもしれない」という怖さを抱えやすいタイプです。
そのため、恋愛の中では次のような反応が出やすくなります。
- 返信が少し遅れるだけで、「何か怒らせたかな」「もう冷めたのかな」と強く不安になる
- 相手の表情や言葉の一つ一つを過剰に読み取り、「嫌われたサイン」を探してしまう
- 少しでも距離を感じると、「嫌いになったの?」と確認したくなる
不安が強くなると、相手の愛情を確かめるために
- わざとそっけない態度を取って反応を見る
- 何度もメッセージを送りたくなる
- 「本当に好きなの?」と繰り返し聞いてしまう
といった行動に出ることもあります。
その結果として、相手の方が疲れてしまい、距離が広がることもあります。
ここで大切なのは、
不安型の反応は「重い性格」だから出るのではなく、「失うことへの怖さ」が強いときに出やすいということです。
怖さを一人で抱え込んでいると、どうしても相手に強くしがみつくようなかたちで表れやすくなります。
自分に不安型の傾向があるかもしれないと感じたときは、
「私はただ怖いだけなんだ」
と心の中で言い換えてみると、少し優しい視点で自分を見られるかもしれません。
近づきすぎると苦しくなる「回避型」の恋愛パターン
回避型の人は、「誰かに近づきすぎると、自由がなくなるかもしれない」という怖さを抱えやすいタイプです。
恋愛の中では、次のような特徴が表れやすくなります。
- 相手との距離が近づきすぎると、息苦しさや重さを感じやすい
- 一人の時間や自分のペースを強く大事にする
- 相手に頼ったり、本音を見せたりすることに抵抗感がある
関係が深まってきたタイミングで、
- メッセージの頻度を減らす
- 仕事や趣味を理由に会う回数を減らす
- 「別にそこまで真剣じゃないよ」と、相手の期待を先に下げようとする
といった行動が出ることもあります。
回避型の人は、冷たいわけではありません。
むしろ心の奥では「傷つきたくない」「依存されたくない」「期待に応えられなかったらどうしよう」という不安が強いことも多いです。
そのため、
自分を守るために、安心できる距離を少し遠めに設定している
と考えると分かりやすくなります。
自分に回避型の傾向があると感じる人は、
「本当は人が嫌いなのではなく、近づいたときのしんどさを避けたいだけかもしれない」
と視点を変えてみると、少し心がやわらぐでしょう。
「どれでもない自分」もいていい:ラベルに縛られないために
ここまで見てきた三つのタイプは、とても分かりやすく整理された枠組みです。
その一方で、現実の人間関係はもっと複雑で、多くの人が「どれか一つ」には当てはまりません。
例えば、次のようなケースがあります。
- 相手や状況によって、不安型にも回避型にも見える
- 付き合う相手が安定しているときは安定型に近づき、相手が不安定なときは不安型に傾く
- 友人関係では安定しているのに、恋愛になると途端に不安型の反応が強くなる
このように、愛着スタイルは固定された性格診断ではなく、「傾向が出やすいゾーン」のようなものです。
そのため、
- 「私は不安型だからダメだ」と決めつけないこと
- 「安定型にならなきゃ」と自分を追い詰めすぎないこと
が、とても大切になってきます。
愛着スタイルを知る目的は、
自分をラベルで縛ることではなく、
- どんなときに
- どんな反応をしがちで
- そのとき心の中で何が起きているのか
を理解しやすくするためです。
「私はこのタイプ」と断言する必要はありません。
「こういうところは不安型に近いかも」
「この部分は回避型っぽいな」
といった形で、自分のパターンを地図のように眺めてみる。
その地図が少しずつ描けてくると、次の恋愛で
「じゃあ今回は、ここだけ少し違う選択をしてみよう」
と、自分で舵を切りやすくなっていきます。
あなたの“愛され方のクセ”セルフチェック:よくある行動パターン

テストっていうとちょっとかしこまっちゃうけど、「恋してるときの自分あるある」を振り返るくらいの気持ちで見てみよっか!
ここからは、
- メッセージのやりとり
- ケンカや不安な場面
- 相手に求めてしまいやすいもの
といった、具体的なシーンごとに「愛され方のクセ」が表れやすいポイントを見ていきます。
当てはまる数を数える必要はありません。
「これ、少し分かるかも」「これはあまりピンとこない」
そんなふうに、自分の反応パターンをやさしく眺めてみるつもりで読んでみてください。
メッセージや会話で出やすい“愛され方のクセ”のサイン
恋愛の場面で分かりやすくクセが出るのが、メッセージや会話のやりとりです。
次のような行動に、どれくらい心当たりがあるか想像してみてください。
- 返信が少し遅れると、気づかせるためにあえてそっけない返事をする
- 相手の一つ一つのスタンプや絵文字の意味を深読みしてしまう
- すぐに「嫌いになった?」と聞いてしまう
- 相手から連絡が来ても、少し間を空けてわざと後で返すクセがある
- 自分の気持ちはあまり話さず、聞き役に徹してしまう
- 相手の機嫌を損ねないように、会話の内容を常に調整している
これらは、一見バラバラの行動に見えます。
しかし背景には、次のような意図が隠れていることが多いです。
- 相手の愛情を確かめたい
- 自分が優位でいたい
- 嫌われることが怖いので、本音を出すのを避けたい
- 相手をがっかりさせたくない
メッセージや会話の中での小さなクセは、「自分はどう扱ってほしいと感じているのか」を教えてくれます。
責めるのではなく、「私はこうされると不安なんだな」「こう振る舞うことで自分を守っているんだな」と気づくだけでも、大きな一歩です。

頭では落ち着いていたくても、不安になった瞬間に別人みたいな言動になってしまうことってありますよね。
そういうときの自分を責めすぎず、「それだけ不安だったんだな」と受け止めてあげられると少しラクになるかもしれません。
不安なとき・ケンカのときに出る反応パターン
不安や衝突が起こったときこそ、「愛され方のクセ」がはっきり表れやすくなります。
次のようなパターンの中で、心当たりのあるものを眺めてみてください。
- 追いかけるパターン
- 不安になると、とにかく話し合おうとしてメッセージを連投してしまう
- 相手が落ち着く前に結論を出したくなり、「今すぐ決めて」と迫ってしまう
- 距離を取るパターン
- ケンカになりそうだと感じた瞬間に、連絡を控えたり、会うのを避けてしまう
- 本当は気になっているのに、「別に大丈夫」「なんでもない」と言ってしまう
- 何も言えなくなるパターン
- 頭の中が真っ白になり、その場で言いたいことが出てこない
- 後から「あのときこう言えばよかった」と何度も振り返ってしまう
- 感情が爆発するパターン
- たまっていた不満が一気にあふれて、きつい言い方になってしまう
- その後、後悔や自己嫌悪でいっぱいになる
どのパターンが良くて、どのパターンが悪いという話ではありません。
どれも、「関係を壊したくない」「これ以上傷つきたくない」という心の防衛反応です。
自分がどの反応に入りやすいかを知ることは、
「同じパターンに入り始めたときに、少しだけブレーキをかける」
準備にもつながっていきます。
相手に「つい求めてしまうもの」から分かること
「愛され方のクセ」は、自分が相手に何を一番求めやすいかにも表れます。
次のようなポイントを、そっと振り返ってみてください。
- 相手から「大丈夫だよ」「好きだよ」といった安心の言葉を、どれくらい頻繁に聞きたくなるか
- 会う頻度や連絡の頻度よりも、一人の時間や自由さをどれくらい大切にしたいと感じるか
- 「すごいね」「えらいね」といった承認や称賛を強く求めてしまうかどうか
- 「今日は何も聞かないでほしい」「そっとしておいてほしい」という、放っておいてほしい気持ちがどれくらい湧きやすいか
例えば、
- 安心の言葉を強く求める人は、「見捨てられたくない」という不安が強いかもしれません。
- 自由な時間を強く求める人は、「過去に誰かに過剰に踏み込まれた経験」が影響していることもあります。
- 承認や称賛を求めやすい人は、「価値を認めてもらえなかった経験」から、自分の存在を確認したいのかもしれません。
ここでも大事なのは、求めることそのものを否定しないことです。
「私はこういうものを相手に求めがちなんだ」と知ることで、
- それをどう伝えるか
- どこまでなら相手も受け止められそうか
を考えるヒントが生まれます。
診断ではなく“自分の取扱説明書”として整理してみる
ここまで見てきた行動パターンは、性格テストのように「あなたは○○タイプです」と決めるためのものではありません。
むしろ、自分の“取扱説明書”をゆっくり書き出していく作業に近いものです。
- 不安になると、私はこう振る舞いやすい
- メッセージのやりとりでは、こういうところで過敏になりやすい
- 相手に、こういうものを強く求めてしまう
このように、
「私はこういうとき、こうなりやすい」
という傾向を知っておくことには、次のようなメリットがあります。
- 自分の反応にビックリしなくてよくなる
- 「またやってしまった」と責める前に、「今いつものパターンに入りかけているな」と気づける
- パートナーや友人に、「私はこういうときこうなりやすい」と説明しやすくなる
愛着スタイルを扱うときに一番避けたいのは、
「私は不安型だからダメ」「回避型だから向いていない」と、自分をラベルで縛ってしまうことです。
そうではなく、
「私はこういうところでつまずきやすい。だからこそ、こういう工夫があると助かる」
という形で、自分のパターンを言葉にしていけると、恋愛も人間関係もぐっと扱いやすくなっていきます。
セルフチェックの目的は、「欠点探し」ではありません。
自分を少しだけ理解してあげること。
それが、この章のゴールです。
愛着スタイルは変えられる?「こうあるべき」を手放す視点
研究員メモ

愛着スタイルは、「直さなければいけない欠点」ではなく、これまでの環境の中で心が身につけてきた生存戦略として見るのが有効です。
ここでは、「変わるかどうか」よりも「どう付き合っていくか」という視点から整理してみます。
恋愛の愛着スタイルについて知ると、多くの人が一度は
「安定型にならないといけないのかな」
と感じます。
けれど、現実には、不安型や回避型の傾向を完全に消すことは簡単ではありません。
むしろ大切なのは、
- 今のスタイルがどんな背景から生まれたのかを理解すること
- そのうえで、反応の「選択肢」を少しずつ増やしていくこと
です。
ここからは、
- 愛着スタイルを「心の生存戦略」として捉え直す視点
- 安心できる経験の中で少しずつ変化していく心の柔軟性
- 「変わらなきゃ」ではなく「選べる幅を広げる」という考え方
の3つを見ていきます。
愛着スタイルは“悪いクセ”ではなく心の生存戦略
不安型でも、回避型でも、その反応は「間違った性格」ではありません。
過去の環境の中で、心が「これが一番安全そうだ」と判断して身につけてきたやり方です。
例えば、不安型の人なら、
- 放っておかれると危険だと感じる状況が多かった
- 相手の気持ちを敏感に読むことで、トラブルを少なくできた
という経験が積み重なっているかもしれません。
だからこそ、「相手の表情やメッセージを細かく読み取る」ことが、身を守る感覚になっている可能性があります。
回避型の人なら、
- 近づきすぎると傷つく経験が何度もあった
- 甘えようとしてうまくいかなかった記憶が残っている
といった背景があるかもしれません。
その結果、「自分一人で何とかする」「距離をとっていれば安全」というルールが、心の中にでき上がっていることがあります。
このように見ていくと、愛着スタイルは
「ダメな自分」ではなく
「そのときの自分を守るために、心が選び続けてきたパターン」
だと分かります。
まずは、
「よくここまでやってきたな」
と、今までの自分のやり方に対して少しだけ敬意を向けてみることが、変化の出発点になります。
安心できる関係の中で、少しずつ変化していく心の柔軟性
愛着スタイルは、一晩でガラッと変わるものではありません。
しかし、安心できる経験が増えるほど、反応は少しずつ柔らかくなると考えられています。
例えば、
- 自分の不安を正直に話したとき、相手がきちんと聞いてくれた
- しばらく距離をとっても、関係が壊れずに続いた
- 「そんなふうに感じていたんだね」と言われて、気持ちを受け止めてもらえた
こうした経験が少しずつ積み重なると、心の中に
- 「全部言っても大丈夫な人もいるかもしれない」
- 「距離をとっても、見捨てられるとは限らない」
という、新しい前提が追加されていきます。
それは、
- パートナーとの関係だけでなく
- 友人、家族、カウンセラー、コミュニティなど
複数の関係から少しずつ育っていくことも多いです。
重要なのは、
「一人の相手だけに、すべての安心感を背負わせないこと」
です。
いくつかの人間関係の中で、少しずつ
- 甘えてみる
- 頼ってみる
- 本音を少し多めに話してみる
といった小さな試行錯誤を重ねることで、心は時間をかけて柔軟になっていきます。

「安定型にならなきゃ」と思えば思うほど、「まだできていない自分」にばかり目がいってしまって、余計に苦しくなることってありますよね。
本当は、今の自分を少しでも扱いやすくできれば、それだけでも十分意味があるのかもしれません。
「変わらなきゃ」ではなく「選べる幅を広げる」という考え方
愛着スタイルと向き合うときに、おすすめしたいのは
「変わらなきゃ」ではなく「選べる幅を広げる」
という考え方です。
例えば、不安になったときの反応について考えてみます。
これまでのパターンが
- 「すぐに相手を問い詰める」
だけだったとしたら、そこに - 「まずは自分の不安を書き出してから、落ち着いて伝える」
- 「一晩だけ様子を見てから、必要なら話し合いを申し込む」
といった選択肢が、ひとつでも増えれば、それは立派な変化です。
回避型の人であれば、
- 「連絡を切る」以外に
- 「少しペースを落として、距離の取り方について相談してみる」
という選択を持てるだけでも、関係の結果は変わってきます。
つまり、
- 不安を感じなくなること
- 距離の問題で悩まなくなること
をゴールにする必要はありません。
そうではなく、
- 不安を感じたときに、以前より少し多くの選択肢を思い出せる
- その中から、自分と相手の両方を守れそうな方法を選びやすくなる
という状態を目指すと、プレッシャーが少し下がります。
愛着スタイルを知ることは、
「別人のように変わる」ためではなく、「今の自分のままで扱えるカードを増やす」ため
と考えてみてください。
そのカードが一枚増えるたびに、恋愛の場面で「もうこうするしかない」と追い詰められる感覚が、少しずつ和らいでいくはずです。
恋愛をラクにする「安全基地」のつくり方

恋愛のたびに心がすり減ってしまうと、「どこにも安心できる場所がない」と感じてしまいますよね。
うまくいっているときだけでなく、つまずいたときにそっと戻ってこられる場所があったらいいのに…と思うこともあるかもしれません。
恋愛における「安全基地」は、
- パートナーとの関係の中にある安心感
- 恋愛以外の人間関係や、自分だけの時間の中にある安心感
の両方を含んでいます。
ここでは、
- 自分の中に戻ってこられる場所をつくるセルフケア
- パートナーとの間に安心して話せる時間を増やす工夫
- 友人やカウンセラー、コミュニティなどの「第二の安全基地」
という三つの視点から考えていきます。

研究員メモ

心理学でいう安全基地とは、「相手のそばにいると安心できて、離れても関係が切れたとは感じないような、出入り自由な関係」を指します。
人との関係だけでなく、「自分の中にある安心の場所」も、広い意味での安全基地として考えられます。
自分の中に「戻ってこられる場所」をつくるセルフケア
安全基地というと、人との関係を思い浮かべるかもしれません。
でもまずは、自分の中に戻ってこられる場所をつくることが、とても大切です。
例えば、次のようなセルフケアがあります。
- 感情をメモに書き出す時間をつくる
いきなり誰かに話すのはハードルが高いときもあります。
その場合は、ノートやスマホのメモに- 何があったか(事実)
- そのときどう感じたか(感情)
を、短くでよいので書き分けてみます。
書くことそのものが、「自分の気持ちを自分で受け止める」行為になります。
- 自分を落ち着かせるルーティンを決めておく
不安やモヤモヤが強くなったときに、- 決まった音楽を聴く
- お風呂にゆっくり入る
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
など、「これをすると少し落ち着く」という行動を、あらかじめいくつか用意しておきます。
それが、「心がざわついたときに戻る場所」になります。
- 恋愛とは別の軸になる趣味や休息の時間を持つ
仕事や趣味、好きな作品の世界に浸る時間など、恋愛からいったん離れられる時間を意識的に確保します。
これは「恋愛から逃げる」というより、心のバランスを取るための大切な柱になります。
こうしたセルフケアは、一度で劇的に何かを変えるものではありません。
それでも、
「つらくなったとき、戻ってこられる自分なりの場所がある」
と思えるだけで、恋愛での揺れに耐えられる力が少し上がっていきます。
パートナーとの間に「安心して話せる時間」を増やす工夫
恋愛における安全基地の中心は、やはりパートナーとの間にある安心感です。
完璧な理解や共感まではいかなくても、「話せばある程度は伝わる」という感覚があると、心はかなりラクになります。
そのための具体的な工夫として、次のようなポイントがあります。
- 責める前に気持ちを共有する
不安や不満を伝えるとき、- 「どうしていつもこうなの?」ではなく
- 「こういうとき、私は不安になるんだよね」
と、自分の気持ちを主語にして言葉にしてみます。
いきなりジャッジではなく、「自分の状態の報告」から始めるイメージです。
- 不安を“お願い”として伝える
例えば、- 「連絡が少ないと不安になるから、忙しいときは一言だけでももらえると安心する」
- 「ケンカしそうなときは、少しクールダウンの時間をとってから話せると助かる」
というように、相手を責める言い方ではなく、自分のニーズを具体的なお願いとして出してみます。
- あらかじめ“話す時間”を確保しておく
日々のLINEのついでではなく、- 週に一度、少しだけゆっくり話す時間をとる
- 散歩やカフェで、「最近どう?」とお互いの近況や気持ちを話す
といった機会を、意識的に作るのも一つの方法です。
「トラブルが起きたときだけ話し合う」のではなく、「ふだんから少しずつ話せている」状態が、安全基地を育てていきます。
こうした工夫は、どれもすぐには完璧にはいきません。
それでも、「少し話しやすくなったかもしれない」「前より本音を出せたかもしれない」という経験が積み重なると、
パートナーとの関係そのものが、安全基地に近づいていきます。

恋愛の相手だけに全部を背負わせるんじゃなくて、「ここでもひと息つける」って場所をいくつか持っておくのもアリだよね!
そのほうが、恋愛そのものにかかるプレッシャーも少し軽くなるかもしれないし!
友人・カウンセラー・コミュニティを“第二の安全基地”にする
安全基地は、パートナーとの関係だけに限られません。
むしろ、恋愛以外にも頼れる場所があることが、愛着スタイルにも良い影響を与えると言われることがあります。
例えば、次のような「第二の安全基地」が考えられます。
- 信頼できる友人との関係
- 恋愛の話もできる友人
- 価値観が近く、安心して弱音を吐ける人
こうした友人が一人でもいると、「恋愛でつまずいても、世界が全部崩れるわけではない」と感じやすくなります。
- 専門家との対話(カウンセラーや相談窓口など)
恋愛のパターンや愛着スタイルについて、専門的な知識を持つ人と話すことで、- 自分のパターンを整理しやすくなる
- 「こういう反応はおかしいことではない」と知ることができる
といった安心感が得られます。
定期的に話せる相手としてのカウンセラーは、長期的な安全基地になる場合もあります。
- オンライン・オフラインのコミュニティ
趣味のサークルや、共通のテーマで話せるオンラインコミュニティなども、「恋愛とは別の自分」でいられる場所になります。
「恋人としての自分」だけではなく、「友人としての自分」「一人の人としての自分」が認められる場が増えると、心の土台が少し厚くなっていきます。
安全基地が複数あると、
- 一つの関係がうまくいかなくても、すべてが崩れたようには感じにくくなる
- 「困ったら誰かに頼ってもいい」という感覚が少しずつ育つ
- 不安型・回避型の反応が出ても、「別の場所では安心できる」という経験が、それを和らげるクッションになる
といった効果が期待できます。
恋愛は人生の大事な要素ですが、人生のすべてではありません。
恋愛だけに安全基地を求めるのではなく、複数の居場所を持つことが、結果的に恋愛関係をラクにし、愛着スタイルにもやさしい環境をつくっていきます。
まとめ|愛着スタイルを知ることは“愛され方”をやさしく選び直すこと
研究員メモ

ここまでの内容は、「自分をジャッジするため」ではなく、「どうしてこう反応してしまうのか」を整理して、自分を責めにくくするための視点です。
最後に、愛着スタイルを知る意味を、日常で使えるかたちで振り返ってみましょう。
愛着スタイルを知る3つのメリット
愛着スタイルを知ることには、少なくとも次のようなメリットがあります。
1つ目は、自己理解が深まることです。
「私はなんでいつもこうなんだろう」と漠然と責めていた部分に、「不安が強くなるとこう反応しやすい」「距離が縮まると怖くなる」といった言葉が与えられます。
名前がつくことで、得体の知れない“欠陥”ではなく、「心のクセ」として扱いやすくなります。
2つ目は、相手との違いに意味を見いだせることです。
「どうしてこんなに気持ちが合わないんだろう」と感じていたズレも、
- 片方は不安型寄りで、安心をたくさんほしい人
- 片方は回避型寄りで、自由や距離を大事にしたい人
というように、「求めているものの違い」として見えやすくなります。
すると、「どちらが正しいか」ではなく、「どう調整していくか」という話に変えやすくなります。
3つ目は、関係の選び方・続け方がラクになることです。
自分のスタイルが分かると、
- どんな人といると安心しやすいのか
- どんな関係だと無理がかかりやすいのか
が、少しずつ見えてきます。
その結果、「がんばり続けないと成り立たない関係」を手放す勇気や、「安心できる関係」を選ぶ視点が持てるようになっていきます。
「私はこういうところがある」と認めることから始まる変化
愛着スタイルと向き合うとき、いきなり「安定型にならなければ」と目標を高く置きすぎると、かえって苦しくなりがちです。
大切なのは、まず「私はこういうところがある」と静かに認めることです。
例えば、
- 「不安になると、相手を試すようなことを言ってしまうところがある」
- 「距離が近づくと、急にそっけなくしてしまうところがある」
- 「ケンカになると、頭が真っ白になって何も言えなくなるところがある」
といった形で、自分のパターンをそのまま言葉にしてみます。
ここには、良い・悪いの評価は必要ありません。
そのうえで、
- 「不安になっても、全部をぶつけずに一晩だけ待ってみる」
- 「距離を取りたくなったとき、『少し一人の時間がほしい』と伝えてみる」
- 「言えなかった気持ちを、後からメッセージや手紙で補ってみる」
など、今までのパターンに一つだけ違う選択肢を加えてみることが、現実的な第一歩になります。
完璧な安定型を目指さなくてかまいません。
自分のペースで、「反応の選択肢を少し増やしてみる」。
その小さな繰り返しが、長い目で見たときに、愛され方・愛し方の質をじわじわと変えていきます。
ことのは所長のラボノート

愛され方のクセとは、
心がこれまでの環境の中で必死に学び取ってきた「生き延びるための知恵」の軌跡でもあるのじゃよ。
そこに、良い/悪いの判定を急ぐ必要はないのじゃ。
「なぜこうなったか」を責めるより、「これからどう使い直していくか」を一緒に考えてゆければよい。
愛着スタイルを知ることは、自分を作り変えることではなく、
今の自分を少しやさしく理解し直し、「どのように愛され、どのように愛していきたいか」を静かに選び直す作業なのじゃよ。


