なぜいつも同じタイプを好きになるのか?繰り返される恋愛パターンの心理と抜け出し方
「また似たようなタイプの人を好きになってしまった気がする」
頭では分かっているのに、心は同じ方向に走っていく。そんな感覚に、少し疲れている人も多いかもしれません。
相手の顔ぶれは違っても、ふたを開けてみるといつも似たような展開になる恋愛。
「どうして私はいつも同じタイプを好きになるんだろう」「自分のどこかがおかしいのかな」と、自分ばかり責めてしまうこともありますよね。
この記事は、そんなモヤモヤを抱えたまま前に進もうとしている方のための「恋愛パターン研究ノート」です。
同じタイプを好きになる理由を、少し冷静に言葉にしながら、「じゃあ次はどう選び方を変えていけるか」を一緒に探っていきます。
この記事で分かること
- いつも同じタイプを好きになってしまう人に多い、代表的な恋愛パターンとその特徴
- 過去の恋愛を使って「自分だけの恋愛パターン」を棚卸しするセルフチェックのやり方
- 愛着スタイルや反復強迫など、繰り返される恋愛パターンに影響する心理メカニズム
- パターンを“全部やめる”のではなく、「少しずつ緩めて選び直していく」ための具体的なステップ
- 一人で抱えきれないと感じたとき、どのタイミングで誰に相談すればいいかの目安
このノートを読み終えたときには、「同じタイプを好きになる自分」を否定するのではなく、
そのクセとうまく付き合いながら、少しずつ物語を更新していくイメージが持てるはずです。
「いつも同じタイプを好きになる」と気づいたときのモヤモヤ

ふと振り返ってみたとき、
「前の人と雰囲気が似ている気がする」
「また同じような展開になりそうな予感がする」
そんな違和感にハッとする瞬間があります。
頭のどこかでは
「今度こそは違うタイプを選びたい」
「もう同じ失敗は繰り返したくない」
と思っているのに、心はなぜか似た方向に走っていく。
このギャップが、静かな自己嫌悪やモヤモヤを生みやすいところです。

気づいたら、また似たようなタイプの人を好きになっている…。そんな自分に、がっかりしてしまうことってありますよね。
ここではまず、そのモヤモヤに名前をつけていきます。
「おかしいのは自分だけ」ではなく、パターンにはちゃんと理由がある、というところから出発していきましょう。
気づいた瞬間の違和感と自己嫌悪
「この人、どこか前の相手に似ているかも」
そう気づいた瞬間、多くの人は少しバツが悪いような感覚を覚えます。
- また同じところでつまずくのではないかという不安
- 「私、全然学習していないな」という恥ずかしさ
- 周りには言えない、自分へのがっかり感
こうした感情が一気に押し寄せてくると、
「成長していない自分」
「見る目がない自分」
を責めてしまいやすくなります。
ただ、ここで大切なのは
「同じタイプを好きになること=ダメなこと」
とすぐに決めつけないことです。
人は、安心できるものや馴染みのあるものを自然と選びやすい存在です。
恋愛においても、全く未知のタイプより、「なんとなく見慣れた空気」をまとった相手に惹かれやすくなります。
それがたまたま、あなたにとっては「うまくいきづらいパターン」と重なっている。
その結果として「また同じだ…」という自己嫌悪が生まれている、という側面もあるのです。
「今度こそは変わりたい」と思うのに同じパターンに戻る理由
失恋を経験したあとや、つらい別れを乗り越えたあと、多くの人は
「次こそは違うタイプを選びたい」
と真剣に思います。
それでも、いざ出会いの場に出てみると、心が動くのはやっぱり似たような雰囲気の人。
「こういう人は危ないって分かっているのに」
と思いながらも、メッセージのやりとりが楽しくて、会うのが楽しみで、気づけば前と似た展開になっている。
ここには、短期的な「安心感」と「ときめき」が絡んでいます。
- どこかで見覚えのある距離感
- 過去の恋愛で経験した“ドキドキのパターン”
- 自分の中にある「これが恋だ」と感じやすいサイン
こうした要素が揃う相手に出会うと、頭でブレーキを踏んでいても、心がアクセルを踏んでしまうことがあります。
しかも、恋愛パターンは習慣やクセに近いものです。
ダイエットや生活リズムと同じように、意志の力だけで一気に変えようとすると、元のパターンに引き戻されやすくなります。
「意志が弱いから戻ってしまう」のではなく、
「長年染み込んだパターンが強いから、少しずつ上書きが必要」
と捉え直すだけでも、自分への責め方はやわらいでいきます。
“タイプ”は顔やスペックだけではなく「雰囲気・距離感」も含まれている
「いつも同じタイプ」と聞くと、最初に思い浮かぶのは
「見た目が似ている」
「職業や年収が似ている」
といった分かりやすい条件かもしれません。
ただ、実際に恋愛パターンを丁寧に見ていくと、
“タイプ”には条件だけでなく「関わり方そのもの」も含まれていることが分かってきます。
たとえば、こんな傾向はないでしょうか。
- 強くリードしてくる人に惹かれやすい
- 最初は距離を取ってくる人を追いかけたくなる
- 連絡がまめな人より、「ときどき放っておく人」が気になってしまう
- どこか不安定で、放っておけない相手に心が動く
見た目も肩書きもバラバラなのに、
「押し方」「引き方」「距離の詰め方」
が似ている人に繰り返し惹かれている、というケースはとても多くあります。
研究員メモ

“タイプ”という言葉を、見た目や条件だけでなく、相手との距離感や、お互いの役割パターンとして捉えてみると、自分の恋愛のクセが見えやすくなります。
ここまで読んで、
「たしかに、顔や職業は違うけど、関係性の雰囲気は似ているかも」
と感じた方もいるかもしれません。
このあとの記事では、その「関わり方のパターン」をもう少し具体的に言葉にしながら、
どこをそのまま大切にして、どこを少し調整していくと良いのかを、一緒に探っていきます。
よくある「同じタイプを好きになる」恋愛パターン【3タイプ】
「顔も仕事もバラバラなのに、結局いつも似たような関係になっている気がする」
そんな感覚があるとき、心の奥ではうすうす分かっていることがあります。
自分の中に“パターン”があるのではないか、ということです。
ただ、それをただ「ダメなクセ」と片付けてしまうと、
少しも整理されないまま、自己嫌悪だけが積み重なっていきます。
ここでは、あくまで一つのモデルとして
「こういうパターン、心当たりはありますか?」
と問いかける形で、3つのタイプを取り上げてみます。

好きになる相手って、顔も仕事も違うのに「あれ、これ前の人と同じ展開じゃん…」ってなること、けっこうあるよね!
「当てはまったからダメ」という話ではなく、
「あ、自分はこういう傾向が強いのかも」と、やさしく“仮ラベル”を貼ってみるイメージで読み進めてみてください。
タイプ1:頼れない人・問題を抱えた人を「助けたくなる」パターン
気づけばいつも、どこか不安定な相手に惹かれている。
- 仕事が長続きしない
- お金の管理が甘い
- メンタルが不安定で、情緒の波が激しい
そういった“放っておけない人”を見ると、胸のどこかがざわっとしてしまう。
最初は「支えてあげたい」「この人の力になりたい」というやさしさから始まります。
相手が弱さを見せてくれるほど、「自分だけには本音を見せてくれている気がする」感覚もあって、距離は一気に縮まりやすい。
ただ、このパターンが続くと、
- 自分ばかりが心配し、支える側に回り続ける
- 相手の問題が解決しないまま、負担だけが増えていく
という状況に陥りやすくなります。
相手を“助けたい”気持ち自体は、とても大切な資質です。
ただし、恋愛関係の中でいつも「支える側」「世話を焼く側」になっていると、
知らないうちに共依存に近い関係へと傾いていくこともあります。
「しんどいけれど離れられない」
「この人を見捨てたら、自分が悪い人間になってしまう気がする」
そんな思いが強いときは、このタイプの傾向が少し強めかもしれません。
タイプ2:自由で振り回される相手を「追いかけてしまう」パターン
こちらから連絡をしても、返信のタイミングは気まぐれ。
会う約束もギリギリになって変更されたり、平気でドタキャンされたりする。
それでもなぜか、「次こそはちゃんと会えるかも」と期待してしまう。
このタイプは、自由奔放でつかみどころのない相手に惹かれやすい傾向があります。
- 連絡はマメじゃない
- 予定も読みにくい
- 感情表現も分かりづらい
そんな“レア感”のある相手を前にすると、心のどこかで火がつきやすいのです。
追いかけているあいだは、ある種のスリルがあります。
- 既読になった瞬間の高揚感
- 返事が来るまでのそわそわした時間
- 少し距離を縮められたときの達成感
これらが重なると、「振り向かせたい」というゲームのような感覚が強まっていきます。
結果として、恋愛そのものよりも「追いかけている自分の感情」にハマっていくこともあります。
このパターンの怖さは、
「相手がどんな人か」よりも「追いかけている状況」そのものに中毒になってしまう点です。
心当たりがある場合は、
「私はこの人が好きなのか、それとも追いかけている自分の高揚感にハマっているのか」
と、一度立ち止まってみることがヒントになります。
タイプ3:いつも自分を優先してくれる「安定感のある人」にしか惹かれないパターン
一見すると、とても健全で安定したタイプに見えるのが、このパターンです。
- 自分の予定に合わせてくれる
- こちらのわがままも受け止めてくれる
- 連絡もマメで、急に音信不通になったりしない
「やさしい人」「安心できる人」が好きなのは、悪いことではありません。
ただ、“いつも自分を優先してくれる相手”にしか惹かれなくなっているとき、
心のどこかで 「決めるのは相手」「私は受け身」 という役割が固定化していることがあります。
- デートの行き先を考えるのはいつも相手
- 気づいたら、重要な決断も相手任せ
- 自分の希望を聞かれると、うまく答えられない
こうした流れが続くと、恋愛の中で「自分は受け身でいるのが当たり前」という前提が強まっていきます。
その結果、相手がいなくなったとき、
「自分で人生を選ぶ感覚」が弱くなってしまうリスクもあります。
安心感のある相手を選ぶこと自体は、とても大切です。
その一方で、「自分の意見や望みを出す練習」も、少しずつ混ぜていけると、安定した関係がより健全なものになっていきます。
自分のパターンを“ラベル貼り”ではなく理解の入り口として使う
ここまで読んで、
「私、タイプ1っぽいかも」
「タイプ2と3が混ざっている気がする」
と感じた方もいるかもしれません。
このときに気をつけたいのが、
自分に対してきついラベルを貼りすぎないことです。
例えば、
- 「私ってほんとダメ男(ダメ女)ホイホイだ」
- 「メンヘラ製造機なんだと思う」
- 「どうせまた同じパターンだし」
こうした言葉は、一瞬の自虐としては場を和ませるかもしれませんが、
自分の心の深いところには、じわじわとダメージを残していきます。
パターンに名前をつけるのは、あくまで 「自分のクセを理解するための一時的なラベル」 です。
「私はこういう傾向があるみたいだ」
「だからこそ、こう関わるとしんどくなりやすいんだな」
と、少し距離を取って観察するための道具にすぎません。
ラベルを貼って終わりにするのではなく、
「じゃあ、このパターンのどこを残して、どこを少し変えてみようか」
と考えるための入口として、そっと横に置いておくイメージで扱ってみてください。
この後のセクションでは、
- そのパターンがどこから来ているのか
- どうすれば少しずつ調整していけるのか
を、心理メカニズムや具体的なワークと一緒に見ていきます。
自分の恋愛パターンを棚卸しするセルフチェック
「なんとなく同じタイプを選んでいる気はするけれど、具体的にどこが似ているのかは説明できない」
そう感じているとき、頭の中だけで考えていても輪郭がぼやけたままになりがちです。
ここでは、一度ノートやメモ帳に“自分の恋愛履歴”をざっくり書き出してみるステップを整理します。
きれいにまとめる必要はありません。あとで読み返した自分が分かれば十分です。
このパートでつくるのは、後半の表や心理解説につなげるための「自分データ」。
少し面倒に感じるかもしれませんが、一度やっておくと、これから先の恋愛の見え方が大きく変わっていきます。
過去3〜5人分の「ざっくり恋愛履歴」を書き出す
最初のステップは、とてもシンプルです。
過去に「ちゃんと好きになった」と感じた相手を、3〜5人分ほど思い浮かべてみてください。
ノート1ページを縦に3〜5つに区切り、それぞれにこんな項目を簡単にメモしていきます。
- 相手のざっくりした特徴
例)年齢差/仕事のイメージ/性格の雰囲気(明るい・マイペース・繊細そう など) - 出会い方
例)職場/友人の紹介/マッチングアプリ/趣味仲間 など - 付き合うまでの流れ
例)最初は友達グループの一人 → 相談に乗ってもらううちに… など - 終わり方
例)自然消滅/自分から別れを切り出した/相手に振られた など
細かく書こうとすると手が止まりやすいので、最初は一人あたり3〜5行程度でかまいません。
「こんな人だったな」「こういう始まり方だったな」という印象を、思いつくままに置いていくイメージです。
大事なのは、“完璧な記録”ではなく、“だいたいの傾向”が見える材料をつくること。
思い出しづらいところや、言葉にしにくい関係があっても、「よく覚えていない」「あいまい」とそのまま書いておけば十分です。
好きになりやすいポイント・別れやすいポイントを拾い出す
ざっくりした恋愛履歴が並んだら、次はそこから共通点を拾い出す作業に進みます。
まず、「最初に惹かれたところ」をそれぞれの相手について思い出してみてください。
たとえば、
- 仕事の話をしているときの真剣な表情に惹かれた
- ちょっと抜けているところが可愛いと感じた
- 甘え方が上手で、守ってあげたくなった
といった具合に、一言フレーズでメモしていきます。
次に、「我慢していたところ」や「しんどくなり始めたポイント」も書き添えてみます。
- 連絡が遅くても“忙しいから仕方ない”と自分に言い聞かせていた
- 約束を守ってくれないことが何度かあった
- 気持ちをはっきり言ってくれないのに、自分ばかり話していた
最後に、「限界だった出来事」「別れのきっかけになった出来事」を一言で書きます。
こうして並べてみると、似たような言葉がちらほら出てくるはずです。

相手のタイプだけを見ていると、「やっぱりダメ男(ダメ女)ばかり…」で終わってしまいがちなんですよね。
“最初に惹かれたところ”と“最後にしんどくなったところ”の両方を見ると、また違うものが見えてきます。
出てきた言葉の中で、気になるものにマーカーを引いてみてください。
「頼られる」「追いかける」「距離が遠い」「自分が我慢する」など、
何度も顔を出しているキーワードが、あなたの恋愛パターンの“核心部分”になっている可能性があります。
“相手のタイプ”だけでなく“自分の役割”にも注目する
もう一歩踏み込んで見ていきたいのが、「自分がどんな役割を引き受けていたか」です。
恋愛の中での“自分のポジション”を、少し俯瞰して振り返ってみてください。
- いつも話を聞く側になっていた(聞き役)
- 困ったときに助けに行くことが多かった(支える役)
- 決めてもらうことが多く、自分から提案は少なかった(甘える役・任せる役)
といった形で、自分がとりがちな立ち位置を書き出してみます。
すると、「相手は違うのに、自分の役割はけっこう似ている」ということに気づく場合があります。
相手のタイプが変わっても、
- 自分はいつも“聞く側”に回っている
- 逆に、いつも“かまってもらう側”になっている
といったように、“関係性の型”がほとんど変わっていないことも少なくありません。
研究員メモ

ここからは、「相手がどんな人だったか」と同じくらい、「自分がどんな役割を引き受けていたか」にも目を向けてみましょう。
パターンは“二人の組み合わせ”でできている、という視点がヒントになります。
「私はいつも〇〇役になっているな」と気づけると、
次の恋愛で「今回も同じ役割に入りかけているかも」と、少し早めに自分を客観視できるようになります。
このセルフチェックは、「間違い探し」ではありません。
あくまで、これまでの自分の選び方・関わり方に
“そっと光を当て直してみるための作業” だと考えてみてください。
ここで棚卸しした内容が、次のセクションで扱う
- 心理メカニズムの解説
- 表を使った「こじらせる理解/ほどいていく理解」の比較
につながっていきます。
表で整理する|繰り返される恋愛パターンとその背景
同じような恋愛を繰り返していると、「どう考えても良くないパターンなのに、なぜまたここに戻ってきてしまうんだろう」と感じることがあると思います。
ここでは、これまでのセクションで見えてきた「自分の恋愛パターン」を、
- 繰り返しているパターン
- その恋で得ているもの
- 失いやすいもの
- 背景にある欲求・思い込み
という形で表に整理していきます。
ポイントは、パターンを「完全に悪いもの」と決めつけないことです。
つらい恋愛の中にも、どこかで自分が“得ていたもの”があるからこそ、パターンが続いてしまう側面があります。
パターンを言語化すると“得ているもの”も見えてくる
「また同じタイプを好きになってしまった」「分かっているのにやめられない」
そんな状態の裏側には、その恋愛によって自分が受け取っている“報酬”が隠れている場合があります。
たとえば、
- 問題を抱えた相手を支えているとき、
「自分は役に立っている」「必要とされている」という実感が得られる。 - 追いかける恋をしているとき、
連絡が来るたびに強いドキドキや高揚感を味わえる。 - 安定した相手に決めてもらう恋をしているとき、
「自分で選ばなくていい」安心感がある。
こうした体験は、短期的には心地よく感じられます。
その心地よさが、無意識のうちに「また同じような状況を選んでしまう」力になっていることも多いのです。

“つらい恋”ってラベルを貼っちゃうと全部ダメに見えちゃうけど、どこかに「あの感じは好きだったな…」って部分もあったりするんだよね!
パターンを言葉にするときは、
- つらかったこと
だけでなく、 - その中で得ていた感覚・役割・安心感
も一緒に書き出してみるのがおすすめです。
そうすることで、「なぜ手放しづらいのか」が少しだけ立体的に見えてきます。

自分の恋愛パターンと、その奥にある欲求・思い込み
ここでは、これまでの棚卸しをもとにした整理のイメージを、表形式で示します。
実際にノートに書くときは、自分のパターンに合わせて「例」の部分を書き換えてみてください。
| 項目 | 繰り返している恋愛パターン | その恋で得ているもの | 失いやすいもの | 背景にある欲求・思い込み |
|---|---|---|---|---|
| 例1 | 問題を抱えた相手を支える | 必要とされる感覚、自分の存在価値 | 自分の時間・体力・お金 | 「役に立てない自分には価値がない」 |
| 例2 | 追いかける恋を選びがち | ドキドキ感、ドラマチックな高揚感 | 安心感・安定した日常 | 「簡単に手に入る恋愛はつまらない」 |
| 例3 | 安定した相手に依存する | 守られている感覚、決断を任せられるラクさ | 自分で選ぶ経験、自分軸の感覚 | 「自分は決めるのが苦手だから、人に任せた方が安全」 |
表を埋めるときのコツは、いきなり完璧に書こうとしないことです。
- まずは「繰り返しているパターン」を一言で書く。
- 次に「その恋で得ていたもの」「失いやすかったもの」を、思いつく範囲で書き出す。
- 最後に、「その奥にあったかもしれない欲求・思い込み」を仮説としてメモする。
という順番で進めていくと、少しずつ自分なりの言葉が見つかっていきます。
研究員メモ

ここでは、“良い恋か悪い恋か”という二択ではなく、「その恋で自分は何を得て、何を失っていたのか」というバランスを見ることがポイントと言えます。
一つだけ選んで『少し緩めたいパターン』を決めてみる
表に整理してみると、
「これはそろそろ手放したいかもしれない」
「ここが変わると、かなり楽になりそう」
と感じるパターンが、一つ二つ浮かんでくるはずです。
ここで大切なのは、全部を一気に変えようとしないことです。
- 「問題を抱えた相手を支える」パターンの中で、
せめてお金の支援だけはしないようにしてみる。 - 「追いかける恋」を選びがちな自分に対して、
相手からの働きかけが一定以上あるかどうかを見る時間を、少しだけ長くとってみる。 - 「安定した相手に任せる」パターンの中で、
デートの行き先だけは自分が決めてみる。
といった具合に、“少しだけ緩める”具体的なポイントを一つ決めるイメージです。
その一つが変わるだけでも、恋愛の雰囲気や、自分の感情の揺れ方が変わってくることがあります。
このセクションでやっているのは、「自分のパターンを責めること」ではなく、
- どんな欲求がそこに隠れていたのか
- その欲求を、もう少し自分にとって楽な形で満たすにはどうしたらいいか
を考えるための準備です。
このあと続くパートでは、ここで見えてきた
「少し緩めたいパターン」をどう扱っていくかを、実践的なステップとして整理していきます。
なぜ同じタイプを選んでしまうのか?恋愛パターンの心理メカニズム
「次は違うタイプの人を選ぼう」と思っても、気づけばまた似たような相手に惹かれている。
頭では変わりたいのに、心と体が勝手に同じ方向へ走っていくような感覚があるかもしれません。
ここでは、その背景にある代表的な心理メカニズムを
「だから自分はダメなんだ」と責めるためではなく、
「こういう仕組みが働きやすいだけなんだ」と理解するために整理していきます。
愛着スタイルと“安心できる距離感”のクセ

「頭ではやめたいのに、心は同じ方向に走っていく…」って、感覚としてはすごく不思議ですよね。
人にはそれぞれ、人との距離感のクセがあります。
心理学では「愛着スタイル」と呼ばれる考え方があり、ここではごくシンプルに三つのイメージで捉えてみます。
- 不安型:
相手の気持ちが気になりやすく、距離があくと不安になりやすいスタイル。
「嫌われていないかな」「連絡が減ったのは自分のせいかも」と考えがち。 - 回避型:
近づきすぎると窮屈さを感じやすく、ある程度の距離を保とうとするスタイル。
「束縛されたくない」「自分のペースを乱されたくない」と感じやすい。 - 安定型:
近づくことも離れることも、そこまで怖くないスタイル。
お互いのペースを尊重しながら関われるタイプ。
不安型の人は、距離をあけがちな相手に強く惹かれやすく、
回避型の人は、ぐいぐい自分に近づいてきてくれる相手と関係を持ちやすい、という傾向が見られることがあります。
つまり、
「追いかける人」と「距離を取る人」が出会うと、
それぞれの愛着スタイルがピタッとはまり、一見“運命的”に感じやすいのです。
ここで大切なのは、
「自分は不安型だからダメ」「相手が回避型だから悪い」という話ではなく、
“安心できる距離感のクセ”が、お互いにとってちょうどよくかみ合っているように感じやすい、ということです。
子ども時代の体験からくる“馴染みのある人間関係”への安心感
わたしたちが「なんとなく落ち着く」「初対面なのに話しやすい」と感じる相手には、
多くの場合、どこかで子ども時代の人間関係と似た空気感があります。
- いつも忙しくてなかなか構ってもらえなかった親
- 機嫌が読みにくく、顔色をうかがっていた家族
- 逆に、よく守ってくれたけれど、少し過干渉だった保護者
こうした経験は、良い悪いにかかわらず、
「人との距離感はこんなもの」という“基準”として心に残ります。
大人になってからの恋愛でも、
その基準に近い雰囲気の相手に出会うと、無意識に
- 「この感じ、知っている」
- 「この距離感なら、どう振る舞えばいいか分かる」
と感じて、安心してしまいやすいのです。
ここでポイントなのは、
親と同じタイプの人を選ぶ、というより、
「あの頃に感じていた空気にどこか似ている相手」に惹かれやすい
というイメージに近いことです。
好きになる相手が毎回似ている場合、
その奥には「自分が“慣れている距離感”にまた戻ろうとする動き」が潜んでいることもあります。
反復強迫|しんどいパターンを無意識に繰り返してしまう仕組み
研究員メモ

ここでは、心理学で言われる“反復強迫”という概念も、やさしく触れておきましょう。
少し専門用語になりますが、
心理学には「反復強迫(はんぷくきょうはく)」という考え方があります。
ざっくり言うと、
過去にしんどかった体験を、無意識のうちに再現するような形で繰り返してしまうこと
です。
たとえば、
過去に「置いていかれた」「わかってもらえなかった」という痛みがあると、
「今度こそ、わかってくれる人に出会いたい」
「今度こそ、置いていかれないようにしたい」
という願いを胸に、どこか似たタイプの相手を選んでしまうことがあります。
表面的には「今度こそ違う結末にしたい」と願っているのですが、
選ぶ相手がまた似たパターンの人だと、結果的に同じような痛みを繰り返しやすいのです。
大事なのは、
「自分はダメな選び方をしている」と責めることではなく、
「過去に癒やされなかった痛みを、今度こそ癒やしたくて、
同じような場面に自分を連れていってしまうことがある」
という仕組みを知っておくこと。
その視点があるだけでも、
「なんでこんな相手ばかり…」という自己否定から一歩離れて、
「それくらい自分の中に、まだ癒やされていない傷があるんだな」と受け止めやすくなります。
単純接触効果と“似たタイプ”に惹かれやすくなる日常の積み重ね
もう一つ、より日常的なメカニズムとして、単純接触効果というものがあります。
これは、
人は“よく目にするもの”“よく会う相手”に、自然と好意を抱きやすくなる
という、ごくシンプルな心理です。
たとえば、
- 職場に、同じような性格・同じような働き方の人が多い
- 自分が所属しているコミュニティに、似たタイプの人が集まりやすい
- SNSや趣味の界隈で、特定のタイプの人とやりとりする機会が多い
こういった環境の中にいると、
「また同じタイプを好きになってしまった」というより、
「そのタイプと出会う機会が圧倒的に多かった」だけ、ということもあります。
つまり、恋愛パターンは
- 心の奥にある愛着スタイルや反復強迫などの“内側の要因”
と - 働き方・住まい・コミュニティといった“外側の環境要因”
が重なり合って形になっている、ということです。
ここまで見てきた心理メカニズムは、どれも
- 「あなたがダメだから起きている」ことではなく
- 「人の心がもともと持っている仕組みが、たまたま今の恋愛に強く出ている」
と捉えた方が、ずっと現実的でやさしい理解になります。
次のセクションでは、こうした仕組みを踏まえたうえで、
「じゃあ、このパターンとどう付き合っていくか」
という実践的なヒントへつなげていきます。
恋愛パターンを少しずつ変えていくための実践ステップ

ここまでで「なぜ同じタイプに惹かれやすいのか」「どんなパターンが自分にあるのか」を見てきました。
ここから先は、「じゃあ、具体的に何をしたらパターンを少し変えられるのか」を扱うパートです。

パターンって“性格そのもの”じゃなくて“クセ”に近いから、ガラッと変えるというより、ちょっとずつ方向をずらしていくイメージで考えたいよね!
いきなり「まったく新しい自分になる」必要はありません。
出会いの最初の一歩、相手の選び方、関係の続け方――それぞれを少しずつ調整していくことで、
時間をかけて恋愛パターンのカーブをなだらかに変えていくイメージを持ってもらえればと思います。
『今回はいつものパターンかも』と気づくところから始める
パターンを変える最初のステップは、「行動をガラッと変えること」ではなく、
「あ、これ、いつもの流れに似ているかも」と気づける瞬間を増やすことです。
たとえば、こんな場面があるかもしれません。
- まだよく知らないのに「この人、なんだか放っておけない」と感じたとき
- 返信が遅い相手に、妙に心を持っていかれてしまったとき
- 会う約束が曖昧なままでも、「きっと大丈夫」と自分を納得させているとき
そのときに、心の中で一度だけ立ち止まって、
「これは、前にも経験した“あの感じ”に似ているか?」
「過去の Aさん・Bさん・Cさんと、どこが似ているだろう」
と問いかけてみる。
その問いが浮かんだ時点で、もうすでに半歩だけパターンから距離を取れている状態です。
行動はすぐには変わらなくても、「気づく頻度」が増えていくと、
少しずつ選択の余白が生まれてきます。
「また同じことをしている…」と自分を責めるより、
「気づけるようになっただけでも、前よりは進んでいる」と受け止めておくことが、
次のステップにつながる土台になります。
“少し違うタイプ”にもチャンスを広げる具体例
同じパターンから抜け出したいと思うとき、
よくあるのが「ぜんぜん違うタイプに行こう」という極端な発想です。
ただ、現実にはそこまで大きく振り切るのは難しく、むしろ元に戻りやすくなります。
そこでおすすめなのが、
「いつものタイプに“少し”条件を足す」
「これまで避けてきたタイプにも“数回だけ”会ってみる」
といった、小さめのチャレンジです。
たとえば、
- これまでは「自由で予定が読めない人」に惹かれがちだったなら、
「自由だけれど、仕事の話になるときちんと具体的に話せる人」を意識して探してみる。 - 「押しが強い人」ばかり選んでいたなら、
「少し控えめだけれど、約束をきちんと守る人」と何度か会ってみる。 - 「連絡がマメすぎる人は重そう」と感じて避けていたなら、
一度だけではなく「3回目のやりとりくらいまで様子を見る」と決めてみる。
ここで大切なのは、
「最初からビビッとこなければ終わり」ではなく、
「最初の違和感が“慣れていないだけ”なのかどうかを、少し観察してみる」
という姿勢です。
「ピンとこない=相性が悪い」と即断してきた人ほど、
“少し違うタイプ”との数回のやりとりが、
恋愛パターンの幅を広げる練習になっていきます。
境界線を決める|自分をすり減らさないためのルールづくり
パターンがしんどくなるのは、相手のせいだけではなく、
自分の中に「ここまではOK/ここからはNO」という境界線が引けていないときにも起こりやすくなります。
そこで、恋愛の前提として、あらかじめ「自分ルール」をいくつか書き出しておくと役に立ちます。
たとえば、
- お金
- 相手の生活費・借金を肩代わりしない
- 貸すとしても「いくらまで」「返済の期限」を自分の中で決めておく
- 時間
- 相手の急な呼び出しに、仕事や大事な予定を何度も犠牲にしない
- 週のうち「この時間帯だけは自分の時間」と決めて死守する
- 連絡
- 深夜のモヤモヤしたメッセージには、翌朝まで返信しない
- 既読スルーが続くときは「追いLINEを一定回数以上送らない」ラインを決めておく
こうした境界線は、「相手に押しつけるルール」というより、
「自分をすり減らしすぎないために、自分側に敷いておくガードレール」
のようなものです。
一度で完璧に守れなくてもかまいません。
境界線を“意識した”うえで、それを越えたかどうかを振り返れるだけでも、
これまでとは違う視点が少しずつ育っていきます。
一人の恋愛ではなく“人生全体”のバランスで考えてみる
恋愛パターンを変えるというのは、
単に「好きになる相手のタイプを変える」だけの話ではありません。
- 仕事にかける時間とエネルギー
- 友人や家族とのつながり
- 一人で過ごす時間や、趣味にあてるリソース
こうしたものとのバランスの取り方を見直すことにもつながっていきます。
これまで、
- 恋愛が始まると、他のことが全部二の次になっていた
- 相手中心のスケジュールになり、自分の生活リズムが崩れていた
- 友人との約束を後回しにして、あとで後悔することが多かった
というパターンがあるなら、
次の恋ではあえて、
「この予定だけは変えない」
「恋愛以外の時間も、ちゃんと残しておく」
と決めてみる。
恋愛パターンを変えることは、
人生の「時間の配分」と「エネルギーの置きどころ」を変えることでもあります。
恋愛だけを特別扱いしすぎず、
「自分の人生という大きな枠組みの中で、恋愛をどんな位置に置きたいか」を
少しずつ考えていくと、
選ぶ相手も、関係の持ち方も、自然と変わっていきます。
その変化は派手ではないかもしれませんが、
振り返ったときに「あの頃とはだいぶ違う選び方をしているな」と気づけるような、
静かなカーブとして現れてくるはずです。
FAQ|同じタイプばかり好きになる人のよくある質問

「どうしていつも同じタイプばかり…?」という声は、本当にたくさん届きます。
ここでは、よくある質問をQ&Aの形でまとめてみました。
Q1:なぜ私はいつも同じタイプの人ばかり好きになるのでしょうか?
同じタイプに惹かれてしまう背景には、ひとつの原因だけではなく、いくつかの要素が重なっています。
子どもの頃から慣れ親しんだ人間関係の雰囲気、これまでの恋愛経験、愛着スタイル(安心しやすい距離感のクセ)、今置かれている環境などが、少しずつ影響していると考えられます。
たとえば、
「相手に振り回されるけれど、強く惹かれてしまう」
「頼られると、つい無理をしてでも応えたくなる」
といった傾向があるなら、その奥には
「必要とされていたい」
「見捨てられたくない」
といった、もっと深い欲求が隠れていることも少なくありません。
ここで大切なのは、このパターンを
「私がダメだからだ」
「学習能力がないからだ」
と断定しないことです。
何度か繰り返してきた結果、「この感じなら、なんとなく落ち着く」「この距離感は見覚えがある」と、心が勝手に選びやすくなっているだけ、という捉え方もできます。
パターンは「性格そのもの」ではなく、「長く使ってきたクセ」。
だからこそ、時間をかければ、少しずつ調整していくことも可能です。
Q2:ダメな相手だと分かっていても、好きになる気持ちは間違いですか?
頭では「この人はやめておいた方がいい」と分かっているのに、気持ちはどうしようもなく惹かれてしまう。
その葛藤を抱えたまま、自分を責めてしまう人は多いはずです。
まず、「好きになってしまう気持ちそのもの」を間違いと決めつける必要はありません。
人に惹かれるのは、とても自然な反応です。
問題になるのは、「どこまで踏み込むか」「自分をどこまで差し出すか」といった行動の部分です。
気持ちと行動を、いったん切り離して考えてみると、少し楽になります。
- 好きになってしまうこと → 止められないこともある
- その相手とどう関わるか → 自分で選び直せる余地が残っている
という整理です。
たとえば、
- 恋愛関係には進まないけれど、距離を置いたまま関わりを続ける
- 二人きりで会うのは控え、複数人の場だけにする
- 経済的・精神的に自分をすり減らすラインだけは超えない
といったように、「好きになったとしても、自分を守る選択肢は残しておく」発想が大切になります。
気持ちを否定するのではなく、
「この気持ちを、どう扱うか」を一段上の視点から考えてみる。
そこから、パターンとの付き合い方が、少しずつ変わり始めます。
Q3:パターンを変えようとしても、結局元に戻ってしまいます
「今度こそ違うタイプを選ぼう」と思っても、気づけばまた似たような相手に惹かれている。
そのたびに「やっぱり私は変われない」と落ち込んでしまう人も多いでしょう。
ここで知っておいてほしいのは、パターンがすぐに元に戻るのは、ある意味で“自然なこと”だという点です。
長年使ってきたクセを一気に変えようとすると、どうしても揺り戻しが起きます。
大事なのは、
「二度と同じことをしない」
ではなく、
「戻りながらでもいいから、少しずつ振れ幅を小さくしていく」
という発想です。
たとえば、
- 以前は数ヶ月単位で同じような恋愛を繰り返していたのが、今は「付き合う前の段階」で違和感に気づけるようになった
- 以前は限界まで我慢してから関係を終わらせていたのが、今は「本当に無理になる前」に距離を取れるようになった
こうした変化は、外から見ると小さいかもしれませんが、
内側では確実に「パターンのスピードをゆるめている」動きです。
戻ってしまった自分を責めるより、
「前より少しだけ、気づくのが早くなった」
「前より少しだけ、自分を守る選択ができた」
というポイントを、ていねいに拾っていくことが、長い目で見ればいちばんの近道になります。
Q4:一人で抱えきれないとき、どんなタイミングで専門家に相談すべきですか?
恋愛パターンに悩む中で、
「これくらいで相談してもいいのだろうか」
「もっとつらい人がいるのに、自分なんかが行っていいのか」
と迷ってしまう人は少なくありません。
目安のひとつとしては、次のような状態が続いているかどうかです。
- 仕事や家事のミスが増え、日常生活に支障が出ている
- 寝つきが悪い・夜中に何度も目が覚める・朝まったく起きられないなど、睡眠の質が長期間落ちている
- 食欲が極端に落ちる、あるいは過食が続いている
- 「いなくなってしまいたい」といった考えが頭から離れない
こうしたサインがあるときは、一人で抱え込まず、カウンセラーや医療機関など外部の専門家に相談してよい段階だと考えて大丈夫です。
また、そこまで深刻ではなくても、
- 友人には話しづらい
- 同じ話を何度も繰り返してしまっている感覚がある
- 自分のパターンを整理する手助けがほしい
という場合も、相談してはいけない理由はありません。
専門家は、「悩みの重さ」を比べるためではなく、
その人が自分のペースで自分の心を整理できるようにサポートするための存在です。
研究員メモ

一つの正解を探し当てることよりも、自分の心身の状態と、これからどんな関係を築いていきたいか。
その両方をていねいに見ながら選んでいくことが、パターンとの付き合い方を変える第一歩と言えるでしょう。
まとめ|“パターンに気づけた自分”から物語を更新していく
今日整理したポイントの振り返り
ここまで読み進めてきたあなたは、すでに「なんとなく好きになる相手」ではなく
「自分の恋愛パターン」という視点で、自分の物語を見直し始めています。
この記事でたどってきたポイントを、いったんコンパクトに振り返ってみましょう。
- 「また同じタイプだ…」と気づいたときに生まれる違和感や自己嫌悪
- 「頼れない人を支えたくなる」「追いかける恋にハマりやすい」など、代表的な恋愛パターン
- それぞれのパターンの奥にある
- 必要とされたい気持ち
- 捨てられたくない不安
- 守られたい・決めてもらいたい欲求
- 表で整理したように、「その恋で得ていたもの」と「失っていたもの」が両方あるという事実
- 愛着スタイルや子ども時代の体験、反復強迫、単純接触効果など
「同じタイプを好きになる」メカニズムを支える心理の仕組み - そして、実践ステップとして
- 「今回はいつものパターンかも」と気づくこと
- 少しだけ違うタイプにもチャンスを広げてみること
- 自分をすり減らさない境界線(お金・時間・連絡頻度など)をあらかじめ決めること
を確認してきました。
最後のFAQでは、
「どうして同じタイプばかり?」「分かっていてもやめられない」
といった、グレーで答えづらい悩みも含めて整理しました。
ここまでを通して一番大切なのは、
「同じタイプを好きになる=ダメ」ではなく、
『自分の中にこんなクセと願いがあったんだ』と見つけられたことそのものが、大きな一歩
だという点です。
パターンは“消す”のではなく“選び直せるようになる”もの
恋愛パターンに気づいたとき、多くの人が最初に考えるのは
「このパターンを完全になくしたい」「二度と同じことを繰り返したくない」
という方向です。
けれども、パターンはスイッチのようにオン・オフできるものではなく、
長い時間をかけて身についた「心のクセ」に近いものです。
ここでの合言葉は、
「消す」のではなく、「選び直せるようになる」
です。
- いつものように、問題を抱えた相手に強く惹かれている自分に気づいたら、
「あ、これは例の『支えるパターン』かもしれない」と一歩引いて見てみる。 - 「追いかける恋」のワクワク感が顔を出したとき、
「このドキドキの代わりに、今回は安心感を少し多めに選んでみようか」と検討してみる。 - これまで避けてきた“安定している相手”と、いきなり付き合うのではなく、
まずは数回、フラットに会ってみるところから始めてみる。
こうした小さな選び直しを重ねるうちに、
「いつものパターン」一択ではなく、
「今回の自分には、どんな距離感・どんな関係性が合っていそうか」を選べる幅
が、少しずつ増えていきます。
パターンは、あなたの一部であって、あなたのすべてではありません。
それを完全否定するのではなく、
「ときにはこのクセを活かし、ときには少し距離を取る」
そんな柔らかな付き合い方を目指していければ十分です。
ことのは所長のラボノート

人は、ときに同じ風景の中をぐるぐる歩き続けるものじゃよ。
それは道を間違えたからではなく、そこにまだ学びが残っているから、ということもあるのじゃ。
自分の恋愛パターンに気づいたとき、それは失敗の証ではなく、物語を更新するための大切なメモになる。
どうか、そのメモを責めるためではなく、次の一歩をやさしく選び直すために使ってほしいのう。
同じタイプを好きになる自分も、そこから少しずつ選び方を変えていこうとする自分も、
どちらもあなたの物語の一部じゃ。
その物語を、これから先どう紡いでいくか――その問いを大切に抱えて歩いていってくれれば、それで良いのじゃよ。


