恋愛で悩む大人たちは何に迷っているのか|心理カウンセラーが語る“よくある相談”と心の整理術
大人になると、仕事も生活もそれなりに回っているのに、恋愛だけはなぜか昔より難しく感じる。
別れるべきか続けるべきか、結婚に踏み切るべきか、この関係は自分を幸せにしているのか。
頭の中で何度も同じ問いをぐるぐるさせながら、「こんなことで誰かに相談していいのかな」と、結局一人で抱え込んでしまう人は少なくありません。
この記事では、恋愛相談を日々受けている心理カウンセラーへのロングインタビューをもとに、大人ならではの恋愛の迷いをていねいに言葉にしていきます。
「自分だけがおかしいわけではない」と感じられる視点と、今日からできる心の整理のヒントをまとめました。
この記事で分かること
- 心理カウンセラーのもとに寄せられる「大人の恋愛相談」の代表的なテーマと、その背景にある本当の悩み
- 自分の恋愛の迷いを「表の悩み」と「心の奥のテーマ」に分けて整理するためのマップとテーブル
- カウンセリング現場で実際にあったケースから見える、「悩みが整理されていくプロセス」
- 自分一人でも始められる「恋愛の悩みの整理ノート」の作り方と、外部の力を借りるタイミングの目安
- 「恋愛で悩む自分」を責めすぎず、生き方を見直すきっかけに変えていくための考え方

恋の悩みは、年齢を重ねれば自然と消えていく…というものでもないのじゃ。
むしろ、大人になるほど、選択肢と責任が増えて複雑になりやすいと言えるかもしれぬのう。

「こんなこと、相談していいのかな」って迷っている人にこそ読んでほしい内容ですね。
どこから言葉にしていけばいいのか、一緒にたどっていけたらと思います。
恋愛で悩む大人たちは、今どんなところで立ち止まっているのか

「恋愛の悩みです」って言いながら話してみると、仕事や家族の話になっていく…って、けっこうあるらしいよね。!
大人になってからの恋愛の悩みは、「好きか嫌いか」「付き合うか付き合わないか」だけでは済まなくなっていきます。
仕事、家族、将来のお金、健康、親の介護…。いろいろな要素がからみ合う中で、「この人と一緒に生きていくのか」「今の関係を続けていいのか」と足を止めざるをえない場面が増えていきます。
ここでは、心理カウンセラーのもとに寄せられる“大人の恋愛相談”の全体像をざっくりマップにしてみます。
どこか一つでも「自分に近いかも」と感じるポイントがあれば、その先を読み進めるときの土台として使ってみてください。

心理カウンセラーのもとに届く“大人の恋愛相談”の全体像
大人になってからの恋愛相談は、いくつかのパターンに分けて眺めると輪郭が見えてきます。
たとえば、未婚の人からはこんなテーマがよく挙がります。
- 「このまま付き合い続けて結婚していいのか、別れるべきか決められない」
- 「結婚したい気持ちはあるけれど、そもそも恋愛するのが怖くなっている」
- 「マッチングアプリで出会いはあるのに、関係が長く続かない」
既婚・パートナーありの人からは、また別の悩みが届きます。
- 「パートナーへの気持ちが分からなくなってきた」
- 「家族としてはうまくやれているけれど、恋愛感情が持てない自分がつらい」
- 「長年のパートナーとの温度差(会話・性・価値観)に疲れている」
さらに、表ではあまり語られないけれど、カウンセリングの場では少なくないのが、次のような相談です。
- 「既婚者との関係をやめたいけれど、離れられない」
- 「離婚・別居を考えているが、子どもやお金のことを思うと決断できない」
- 「過去の恋愛がトラウマになっていて、新しい人と向き合うのが怖い」
こうした相談を見渡していくと、「恋愛」という一つのテーマのようでいて、実際には「生き方の岐路」に立っている大人たちの姿が浮かび上がってきます。
年代・性別で少しずつ違う“迷いどころ”
恋愛で立ち止まりやすいポイントは、年齢やライフステージによって少しずつ変わります。
30代前後では、
- 「結婚するならそろそろ決めないと」というタイムリミット意識
- 仕事のキャリアと結婚・出産をどう両立するか
- 「今の相手と結婚していいのか」「一人で生きる道はあるのか」という選択
といった悩みが前面に出やすくなります。
40代以降になると、
- 離婚・再婚を含めた「パートナーシップの再構築」
- 子どもの独立や親の介護など、家族構成の変化
- 性や体力の変化、老いへの不安と、恋愛感情の揺れ方
といった、人生全体を見渡しながらの悩みが増えていきます。
また、性別による違いもあります。
たとえば婚活やパートナーシップに関する調査では、「悩みを相談できる相手がいない」と答える割合は、女性より男性の方が高く、年代が上がるほどその傾向が強まるというデータも報告されています。
「誰にも話せないまま、一人で抱え込んでいる男性の恋愛の迷い」は、統計だけでは見えにくいものの、カウンセリング現場では確かに存在しているテーマです。
「恋愛だけの悩み」に見えて、その裏には“生き方の問い”がある

相談の表紙には「恋愛」と書いてあっても、中身を開いてみると「これからどう生きていきたいか」という問いが隠れていることが多いようです。
心理カウンセラーが受け取る話の多くは、最初はこう始まります。
- 「彼(彼女)との関係がうまくいかない」
- 「今のパートナーとの距離感に悩んでいる」
- 「新しい恋愛に踏み出せない」
けれども、話を少しずつさかのぼっていくと、そこには
- 仕事との向き合い方(働き方・収入・やりがい)
- 家族との関係(親との距離、子どものこと)
- 自尊心の揺らぎ(自分には価値がないのでは、という不安)
- 孤独感や「この先も一人かもしれない」という恐れ
といった、“生き方そのもの”にかかわるテーマが顔を出してきます。
あるカウンセラーは、「恋愛相談は、実は生き方の相談でもあります」と表現します。
誰と、どんな関係を築いていくのか。
そこには、「自分がどう生きていきたいのか」「どんな自分でありたいのか」という問いが、かならずセットになっているからです。
ここでは、「恋愛で悩む大人たち」がどんなところで立ち止まっているのかをざっくり見てきました。
次の章からは、その一つひとつの迷いの背景にある心理や、そこから抜け出すためのヒントを、インタビュー内容を交えながら丁寧にほどいていきます。
カウンセラーが語る「相談内容トップ5」とその背景

カウンセリングの現場では、どんな恋愛の悩みが多いんでしょうか……? ランキング形式で教えていただきました。
ここでは、ある心理カウンセラーへのロングインタビューをもとに、実際の現場でよく寄せられる恋愛相談を「トップ5」という形で整理していきます。
ポイントは、「表側の悩み」と「その裏にあるテーマ」が、必ずしも同じとは限らないという点です。
一見するとまったく別の相談に見えても、深く話を聞いていくと、
- 自尊心の揺らぎ
- 親密さへの怖さ
- 見捨てられ不安
- 罪悪感や恥の感情
といった共通の「心のテーマ」に行き着くケースが少なくありません。
ここは、のちの表(「表の悩み/裏のテーマ」の整理)につなげる“前振り”として読んでみてください。
1位:「関係を続けるべきか、終わらせるべきか」問題
カウンセリングで最も多いのが、「この関係を続けるべきか、終わらせるべきか分からない」という相談です。
- 「情はあるけれど、恋愛感情なのか分からない」
- 「一緒にいて楽なときもあるけれど、つらい時間も長い」
- 「別れた方がいい気がするのに、どうしても踏ん切りがつかない」
といった“揺れ”の中で、長く立ち止まっている人が少なくありません。
カウンセラーの視点では、このテーマの裏側には、
- 「一人になることへの強い不安」
- 「相手を傷つけたくない、いい人でいたい気持ち」
- 「自分の選択に責任を持つのが怖い感覚」
などが重なっていることが多い、といいます。
「この相談は、決して珍しいものではありません。
多くの方が、『続けるのも苦しい・終わらせるのも怖い』という狭い場所で、長いあいだ一人で悩んでおられます。」
2位:「結婚・同棲など“次のステップ”に進むかどうか」
二番目に多いのが、「結婚するか、同棲するか、今のままか」という“次のステップ”に関する相談です。
- 「この人と結婚していいのか、決めきれない」
- 「同棲の話が出ているが、一歩踏み出すのが怖い」
- 「結婚の話になると、いつも自分がブレーキをかけてしまう」
といったテーマは、特に30代前後でよく挙がるといいます。
カウンセラーの視点から見ると、ここで問われているのは単なる「事務的な判断」ではなく、
- 自分の生き方(仕事・自由・家族像)とのすり合わせ
- 親密な関係に深く踏み込むことへの怖さ
- 「失敗したくない」「後悔したくない」という完璧主義
などの「人生レベルの選択」にまつわる不安であることが多いそうです。
「結婚するかどうかは、“相手の問題”だけでなく、『自分がどんな人生を望んでいるのか』を突きつけられる場面でもあります。
その重さゆえに、決められずに苦しむ人は決して少なくありません。」
3位:「相手の気持ちが分からず、不安が止まらない」
三つ目は、「相手の気持ちが分からない」「本当に自分を好きなのか不安が止まらない」という相談です。
- 返信の速度や頻度に一喜一憂してしまう
- 会えない時間が続くと、「嫌われたのでは」と不安になる
- 相手が本音を話してくれているのか自信が持てない
といった、日常レベルの不安で悩む人は非常に多いといいます。
カウンセラーが見ている裏側には、
- 過去の傷つき体験(浮気・突然の別れなど)
- 自己肯定感の低さからくる「見捨てられ不安」
- 「嫌われないようにしなきゃ」と自分を過度に抑えるクセ
などが潜んでいるケースがよくあります。
「『相手の気持ちが分からない』という悩みの影には、『自分自身の価値を信じきれない』というテーマが隠れていることも少なくありません。
ですから、相手の情報だけでなく、自分の内側も一緒に見ていくことが大事になります。」
4位:「不倫・二番目の関係から抜け出せない」
四つ目は、なかなか人には打ち明けにくい「不倫関係」「二番目のポジション」についての相談です。
- 「やめたいと思っているのに、別れ話を切り出せない」
- 「いつか一番になれると信じて待ち続けてしまう」
- 「罪悪感で苦しいが、離れたあとの孤独も怖い」
といった葛藤を、一人で抱え続けている人は少なくありません。
カウンセラーの立場からは、
- 強い孤独感や承認欲求
- 「自分は二番目でいい」「これくらいしか選べない」という自己評価の低さ
- 過去の親子関係や愛着のテーマ
が、このような関係性の選択に影響している場合もあると見立てます。
「倫理的な問題はもちろんありますが、カウンセリングの場ではまず、
『なぜその関係を選ばざるをえなかったのか』という、その人の背景を丁寧に聞くことを大切にしています。
この手の相談は、決して特殊なものではなく、現場では“よくあるテーマ”の一つです。」
5位:「そもそも恋愛が怖くなってしまった」
五つ目は、「もう恋愛自体が怖い」「誰かを好きになるのが怖い」という相談です。
- 傷つくのが怖くて、距離を置いてしまう
- 過去の別れがトラウマになっている
- 「また同じことを繰り返すのでは」と感じて、出会いを避けてしまう
といった形で、恋愛そのものから身を引いてしまう人も少なくありません。
カウンセラーが見る背景には、
- 過去の暴力的な関係やモラハラ
- 深く傷ついた失恋経験
- 家族関係の中で「親密さ=しんどいもの」という学習があった
など、「親密さ」にまつわる痛みが蓄積していることが多いといいます。
「『もう恋愛なんてしたくない』という言葉の裏には、
『本当は近づきたいけれど、これ以上傷つきたくない』という、二つの気持ちが同時に存在していることがよくあります。
その両方の声に寄り添いながら、ペースを整えていくことが大切です。」
ここでは、カウンセリングの現場で多く扱われる「相談内容トップ5」と、その裏側にあるテーマをざっくり見てきました。
次のパートでは、これらの悩みを「表の悩み/裏のテーマ」という観点からテーブルで整理し、読者自身の状況も照らし合わせられるようにしていきます。
ケースで読む:恋愛に迷う大人たちの“3つのストーリー”

ここからは、カウンセリングの現場でよくあるケースを、少し物語として紹介してもらったよ!
どこか一部分でも「あ、分かるかも」ってところがあったら、そこが今の自分へのヒントかもしれないね!
ここでは、特定できないように配慮しつつ、複数の相談例をもとに再構成したケースを3つ紹介します。
目的は、「この人みたいにしなきゃ」という教科書を示すことではなく、
- 自分の迷いと近いポイントを見つける
- カウンセリングの対話で何が起きているのかをイメージする
- 「悩みの奥には、どんなテーマが隠れているのか」を知る
ための、ひとつの“読み物”としてイメージしてもらうことです。

ケース1:5年付き合ったパートナーと「結婚か別れか」で揺れる30代女性
最初のケースは、30代前半の女性 Aさん(仮名)。
同い年のパートナーと5年付き合い、「結婚するか」「このまま付き合い続けるか」「いっそ別れるか」で長く迷い、カウンセリングを訪れたケースです。
Aさん:「相手のことは嫌いじゃないし、むしろ感謝もあるんです。
でも、このまま結婚していいのか、正直よく分からなくて……。」
カウンセラー:「もし“結婚”という言葉を一度脇に置くとしたら、
今の関係で一番しんどいところ、引っかかっているところはどこですか?」
セッションを重ねるうちに、Aさんの口から何度も出てきた言葉は「自分らしさ」「仕事」「自由」というキーワードでした。
- 相手は穏やかで優しいが、家庭中心の価値観が強い
- Aさん自身は、仕事も続けたいし、一人の時間も譲りたくない
- 結婚の話になると、「専業・パート」の話題が出て、いつも喉の奥に違和感が残る
Aさん:「結婚するかどうかを相談しに来たつもりだったんですけど……。
話していると、“自分がどんな生き方をしたいのか”を、ちゃんと考えてこなかったことに気づきました。」
カウンセラー:「“結婚するかどうか”より先に、『自分はどんな日々を生きたいか』を一緒に整理していきましょう。
そのうえで、“この相手となら、その生活をつくっていけそうか”を考えていっても遅くはありません。」
このケースから見えてくるポイントは、「結婚か別れか」という二択の悩みに見えて、
実際には、
- 自分の生き方
- 仕事との距離
- 家族観・男女観
といった、より広いテーマが絡み合っている、ということです。
Aさんはすぐに答えを出すことはせず、数か月かけて「自分の望む生活像」を整理し、
パートナーとも少しずつ対話を重ねていくことを選びました。
ここでカウンセリングが果たした役割は、「どちらを選ぶべきか」を指示することではなく、
「自分の本音を言葉にするための場」を用意することだった、といえるでしょう。
ケース2:既婚の相手との関係を断ち切れない40代男性
二つ目は、40代前半の男性 Bさん(仮名)。
既婚の相手との関係を数年続けており、「やめたいのにやめられない」状態から抜け出せずに相談に来たケースです。
Bさん:「もちろん、良くないことをしている自覚はあります。
でも、やめたら本当に一人になってしまいそうで怖くて……。」
カウンセラー:「“やめたいのにやめられない”というのは、
どこかでその関係がBさんを支えている面もある、ということかもしれませんね。」
話を聞いていくと、Bさんにはこんな背景がありました。
- 離婚経験があり、「もう二度と家族を傷つけたくない」という強い思い
- 一方で、仕事のストレスや孤独感を、誰かに受け止めてほしい気持ち
- 自分から「寂しい」と言えず、相手のペースに合わせてしまうクセ
既婚の相手との時間は、Bさんにとって、
- 「自分を必要としてくれる、たった一人」
- 「弱音を出せる貴重な場所」
として機能していました。そのため、倫理的にはやめたいと思いつつも、「ここを失ったら、自分は空っぽになってしまうのでは」という恐怖が、関係を手放す妨げになっていたのです。
カウンセラー:「この関係をどうするかを考える前に、
『Bさんが孤独を埋める方法』をこの関係以外にも増やしていく必要がありそうです。」
Bさん:「やめる・続けるだけの話じゃなくて、“自分がどう生きたいか”“どんなつながりを持ちたいか”の話なんですね……。」
このケースが教えてくれるのは、
- 「ダメだと分かっているのにやめられない」関係には
- 孤独感や自己価値の揺らぎが深く関わっている
ということです。
こういった関係そのものを肯定することはできませんが、
「なぜその関係を選ばざるを得なかったのか」を丁寧に振り返ることは、
自分を責め続けるだけで終わらせないためにも重要なプロセスになります。

それぞれのケースに共通するのは、「正解を教えてもらう」場ではなく、自分の本音に少しずつ近づいていくプロセスとしてカウンセリングが機能している点と言えそうです。
ケース3:「恋愛したい気持ちはあるのに、誰かを好きになれない」30代後半
三つ目は、30代後半の女性 Cさん(仮名)のケースです。
Cさんは「本当は恋愛したいし、パートナーもほしい」と口では言いながら、
実際には誰かを好きになる手前でブレーキがかかってしまう、と話します。
Cさん:「周りは結婚していくし、さすがにそろそろ動かなきゃって焦るんです。
でも、いい人を紹介されても、どこかで冷めてしまうというか……。」
カウンセラー:「“冷めてしまう”瞬間に、心の中ではどんな言葉が浮かびますか?」
少し考えたあと、Cさんがぽつりとこぼしたのは、こんな一言でした。
Cさん:「また傷つくくらいなら、一人のままでいいか……って、どこかで思っている気がします。」
話を深めていくと、Cさんには過去に、
- 長く付き合ったパートナーから、突然別れを告げられた経験
- 自分なりに尽くした結果、「重い」と言われたショック
が積み重なっており、「本気で好きになる=またあの痛みに戻るかもしれない」という連想が起きていることが見えてきました。
カウンセラー:「“恋愛したい自分”と、“もう傷つきたくない自分”の両方がいる状態なんですね。」
Cさん:「ああ…。いつも、『恋愛しなきゃ』『結婚しなきゃ』って自分を急かしていたけれど、
その影で、“ちょっと待って”って言っている自分もいたんだと思います。」
このケースのポイントは、
- 「恋愛したいのに動けない」の裏には、
- “恋愛回避”という自己防衛が働いている可能性がある
という点です。
カウンセリングでは、「すぐに恋愛に向かう」ことよりも先に、
- 過去の傷を丁寧に振り返る
- 「もう同じことを繰り返したくない」という自分を尊重する
- 恋愛以外の領域での安心感や充実感を少しずつ増やす
といったステップから始めていきました。
カウンセラー:「“恋愛しなきゃ”という外側のプレッシャーを少し脇に置いて、
まずは『今の自分は、どんなペースで人と関わりたいのか』を一緒に確かめていきましょう。」
Cさん:「“できていない自分”を責め続けるより、
『今は立ち止まっている時期なんだ』って思えたら、少し気持ちが楽になりました。」
これら3つのケースは、それぞれ立場も状況も違います。
それでも共通しているのは、「恋愛の選択」に見えて、その奥で問われているのが、
- 自分はどう生きたいのか
- どんな関係を大切にしたいのか
- どんな自分でありたいのか
といった“人生の問い”である、ということです。
次のパートでは、こうした相談を「表の悩み」と「裏のテーマ」に分けてテーブルで整理し、
読者自身の状況も照らし合わせられるようにしていきます。
表で整理する|恋愛相談のテーマと“その裏にある本当の悩み”

“恋愛の悩みです”って一言で言っても、中身はいろいろあるよね!
表でざっくり整理してみると、“あ、自分はこの辺かも…”って位置が見えやすくなるかも!
恋愛の相談は、一見すると
- 「別れるべきか、続けるべきか」
- 「結婚するか、このままでいるか」
- 「好きになれない自分を変えたい」
といった“分かりやすいテーマ”の形を取ります。
ただ、カウンセラーの視点から見ると、その手前にある「表の相談」と、その奥に潜んでいる「本当の不安・人生のテーマ」は、必ずしも同じとは限りません。
ここでは、ロングインタビューの内容も踏まえて、よくある恋愛相談を「表のテーマ」と「裏のテーマ」に分けて整理してみます。
「何に悩んでいるのか」と「本当は何が不安なのか」を切り分ける意味
カウンセリングの場では、相談の入り口として、こんな言葉から始まることが多いといいます。
- 「別れるべきかどうか迷っていて……」
- 「結婚するかどうか、決められなくて」
- 「不倫をやめたいのに、やめられないんです」
- 「条件は悪くないのに、誰のことも好きになれなくて」
- 「パートナーはいるのに、なぜか満たされないんです」
一見すると、それぞれ別々の悩みに見えますが、少しずつ対話を重ねていくと、奥底には共通したテーマが見えてくることが少なくありません。
例えば――
- 「別れるべきか迷う」という表の悩みの裏側には、
→ 「一人になる怖さ」「老後や将来への漠然とした不安」「自分の選択に自信を持てない感覚」
といったテーマが隠れていることがあります。 - 「結婚するか決められない」という相談の奥には、
→ 「失敗したくない」「親や世間からどう見られるか怖い」「自分の人生を自分で決めてこなかった」
という長年のパターンが顔を出すこともあります。
この「表の相談」と「裏のテーマ」を切り分けて考えることには、次のような意味があります。
- 表面の“選択の問題”だけをいじくり回さなくて済む
- 本当は何に怯え、何に傷つき、何を守ろうとしているのかが見えてくる
- 「自分がおかしい」のではなく、「不安の理由がある」と理解できる
その結果、
「別れる/続ける」「結婚する/しない」といった二択の悩みから、
「自分はどう生きていきたいのか」「どんな関係を大切にしたいのか」という、より広い問いへと視野を広げていけるようになります。

ここでは、カウンセラーの先生と一緒に、恋愛相談を“表のテーマ”と“裏のテーマ”で整理したマップを作ってみました。
あくまで一つのモデルですが、自分の悩みの“位置”を確認するヒントになるはずです。
カウンセラー視点で見る“恋愛相談マップ”
以下の表は、インタビュー内容をもとにまとめた“恋愛相談マップ”です。
あくまで一般的な傾向ですが、「自分はどのあたりが近いかな?」と照らし合わせてみてください。
| 表の相談テーマ | よくある具体的な悩み | 裏にある本当の不安・テーマ | カウンセリングでよく扱うポイント |
|---|---|---|---|
| 関係を続けるか終わらせるか | 「情もあるけど、このままでいいのか分からない」「別れたら一人になってしまいそうで怖い」 | 将来への不安/一人になる怖さ/自分の選択への自信のなさ | 「自分がどう生きたいか」「どんな日々を望んでいるか」の整理 |
| 結婚・同棲など次のステップに進むか問題 | 「タイミングが分からない」「決めきれない」「今の相手で本当にいいのか不安」 | 失敗への恐れ/親・世間の目/“正解を選ばなければ”というプレッシャー | 決められない理由の棚卸し/自分の価値観・人生設計の整理 |
| 不倫・二番目の関係から抜け出せない | 「やめたいのにやめられない」「普通の恋愛では満たされない気がする」 | 孤独感/自尊心の揺れ/自分には価値がないのではという不安 | 自分の境界線を整えること/“一人でいられる力”と支えの増やし方 |
| 誰かを好きになれない | 「条件は悪くないのに、ときめかない」「好きになる手前で冷めてしまう」 | 過去の傷つき体験/親密さへの怖さ/再び傷つくことへの防衛 | 「恋愛できない自分」を責めない視点/安心できる人間関係の土台づくり |
| パートナーがいるのに満たされない | 「一緒にいるのに孤独」「話が分かってもらえない」「感情を共有できない」 | 承認欲求/自分の居場所感/“分かってもらえない人生”という感覚 | 期待値と伝え方の整理/関係性の再設計(距離・役割・コミュニケーション) |
このマップから分かるのは、「恋愛の悩み」として語られていることの多くが、
- 将来への不安
- 自尊心や自己価値感
- 孤独・居場所感
- 自分で人生を選ぶ感覚の有無
といった、より深いテーマとつながっている、という点です。
自分の悩みをテーブルに当てはめてみるミニワーク
ここからは、読んでいるあなた自身の状況に、このマップを少しだけ当てはめてみましょう。
紙でもスマホのメモでも構わないので、次のステップを試してみてください。
- 「今、一番気になっている恋愛の悩み」を一文で書き出す
例:- 「長年付き合っている相手と、結婚に踏み切れない」
- 「別れたほうがいいと分かっているのに、連絡を絶てない」
- 「恋愛したいのに、誰かを好きになれない」 など
- その悩みが、テーブルのどの行に近いかを眺めてみる
完全に一致しなくてかまいません。
「この行とこの行の間くらいかな」といった感覚で大丈夫です。 - 表の「裏にある本当の不安・テーマ」の欄を読んでみる
- 「あ、これは自分にも当てはまる気がする」
- 「ここは違うかも」
というポイントに印をつけるようなイメージで、しっくりくる言葉を探してみてください。
- 最後に、自分オリジナルの一行を足してみる
もし余裕があれば、表の形式を真似して、次のように一行書き足してみます。- 表の相談テーマ:〇〇
- よくある具体的な悩み:△△
- 裏にある本当の不安・テーマ:□□
- 自分に必要そうなポイント:☆☆
この小さなワークの目的は、「自分の悩みをきれいに分類すること」ではなく、
- なんとなくモヤモヤしていたものに、少しだけ言葉を与える
- 「悩んでいるのは自分だけではない」と実感する
- 「自分は本当は何を怖がっているのか」に、そっと近づいてみる
ことにあります。
もしやってみて、「これは一人では抱えきれないかもしれない」と感じたら、
信頼できる人や、専門家に話してみるタイミングかもしれません。
このあとのパートでは、こうした“恋愛相談マップ”を踏まえて、
カウンセラーがどのような視点で話を聴き、どんなふうに一緒に迷っていくのかを、もう少し具体的に見ていきます。
カウンセリング現場から見た「悩みが整理される瞬間」とは

カウンセリングって、どんな人が、どんなふうに使っている場所なのか…実際の話を聞いてみないと、なかなかイメージしづらいですよね。
恋愛で行き詰まったとき、「カウンセリングに行ってみようかな」と頭をよぎっても、
- どんなことを話せばいいのか分からない
- 正解を教えてもらえるわけじゃないなら、意味があるのか不安
- 自分なんかが利用してもいいのか迷う
と足が止まってしまう人は少なくありません。
ここでは、心理カウンセラーへのインタビュー内容をもとに、「悩みが整理される瞬間」にフォーカスして、カウンセリングの中で何が起きているのかを見ていきます。
“正解を教えてもらう場所”ではなく、“自分の言葉を取り戻す場所”
多くの人がカウンセリングに来るとき、最初に口にするのは次のような言葉だそうです。
- 「どうしたらいいか分からないので、答えを教えてほしいです」
- 「別れるのが正しいのか、続けるのが正しいのか…どちらが正解なんでしょうか」
これに対して、インタビューしたカウンセラーはこんなふうに話していました。
「もちろん、情報や選択肢の整理は一緒にします。ただ、最終的には『どうしたらいいか』よりも、『自分はどうしたいのか』が、少しずつ言葉になっていくことが大事だと感じています。」
つまり、カウンセリングは
- 「あなたは別れるべきです」「結婚すべきではありません」といったジャッジを下す場所ではない
- ぐちゃぐちゃになった気持ちや状況を一緒にほどきながら、自分の本音に近い言葉を見つけていく場
として機能している、ということです。
実際のセッションでは、こんなやり取りが重ねられます。
- 「それは、誰のための選択だと感じていますか?」
- 「もし、“正解/不正解”を気にしなくてよかったら、どうしたいですか?」
- 「その選択をしたときの、1週間後の自分と、1年後の自分を想像してみるとどうですか?」
こうした質問を重ねていくうちに、最初は
「どちらが正しいか教えてほしい」
と言っていた人が、少しずつ
「怖いけれど、本当はこうしてみたい気持ちがある」
「正解かどうかは分からないけれど、自分はこういう生き方をしてみたい」
と、自分の言葉で話し始める瞬間があります。
カウンセラーにとって、それがまさに「悩みが整理され始めたサイン」だといいます。
よくある勘違い:「弱い人だけがカウンセリングに行く?」
恋愛カウンセリングと聞くと、
- 「メンタルが弱い人だけが行く場所」
- 「自分はそこまで追い詰められていないから、相談するほどでもない」
と感じる人も多いかもしれません。
しかし、インタビューの中でカウンセラーは、こんな「現場の実感」を語っていました。
「仕事も恋愛も、一見すると“ちゃんとしている人”ほど、限界ギリギリまで抱え込んでから来る傾向があります。
周りからは『しっかりしている』『大丈夫そう』と思われているぶん、弱音を吐きづらいんですね。」
実際に来室する人の中には、
- 会社ではリーダー職に就いている
- 家族や友人から「頼られる側」になりがち
- 「聞き役」になることが多く、自分の話をすることに慣れていない
といったタイプも少なくありません。
そうした人ほど、
- 「これくらいのことで相談してはいけない」
- 「自分で何とかできないのは情けない」
と自分に厳しくなり、限界まで我慢してからようやく扉を叩くケースも多いようです。
カウンセラーは、この点について次のように補足していました。
「“弱いから相談する”というより、“一人で抱えずに、ちゃんと向き合いたいから相談する”という方が近いと思います。
体調が悪いときに病院に行くのと同じで、心のメンテナンスも早めに手を借りた方が、こじらせずに済むことが多いですね。」
インタビュー抜粋|印象に残っている“転機のセッション”
最後に、恋愛で悩む大人たちが「悩みの整理が進み始めた瞬間」の一例として、印象的だったセッションの要約を一つ紹介します(内容は個人が特定されないように再構成したイメージケースです)。
例:別れるかどうかを相談に来た30代女性のケース
- 5年付き合っているパートナーがいる
- 周囲からは「そろそろ結婚だね」と言われている
- しかし本人は、「このまま結婚していいのか分からない」と不安を抱えて来室
最初の数回のセッションでは、
- 「相手は悪い人ではない」
- 「尊敬できるところもある」
- 「でも、一緒にいるときにどこか寂しい」
といった話が続きました。
カウンセラーは、すぐに結論を出すのではなく、
- 一緒にいるときの身体感覚(安心していられるか、緊張していないか)
- 日々の会話でどんな気持ちになることが多いか
- 「この人と結婚した自分の10年後」を想像したときの感覚
を一つずつたどっていきました。
数回目のセッションで、その女性はふと、こんな言葉を口にしたそうです。
「結婚するかどうかを決めたい、って思って来たけれど…
よく考えると、私は『この人と結婚したい』っていう気持ちを、ちゃんと自分の中で確かめてこなかった気がします。
『タイミングだから』『周りがそう言うから』で決めようとしていました。」
この一言をきっかけに、セッションの焦点は
- 「結婚するか、別れるか」という二択から
- 「自分は、本当はどんなパートナーシップを望んでいるのか」
- 「誰かと一緒に生きるとき、何を大事にしたいのか」
へと移っていきました。
決断がすぐに出たわけではありません。
ただ、本人が
「“誰かに正解を教えてもらう”モードから、“自分の人生を自分で選ぶ”モードに、少しだけギアが変わった感覚がありました。」
と語ったことが、とても印象的だったといいます。

カウンセリングって、「ここに行けば全部解決!」という魔法の場所ではないけれど、「自分の本音を言葉にしてもいい場所」が一つあるだけで、迷い方そのものが少し変わっていくのかもしれません。
このあと続くパートでは、「セルフワークでできる範囲」と「誰かの手を借りたほうがいいタイミング」の目安についても触れていきます。
自分でできる“恋愛の悩みの整理ノート”のつくり方

いきなりカウンセリングに行くのはハードル高い…ってときに、自分でできる“悩みの整理ノート”があると、ちょっと心強いよね!
恋愛で迷っているとき、頭の中では同じことがぐるぐる回り続けがちです。
その状態から一歩抜け出すために有効なのが、「書いて整理する」こと。
ここでは、インタビュー内容をベースにしながら、今日から一人でも始められる「悩みの整理ノート」のつくり方を、3つのステップで紹介します。
ノートでも、スマホのメモでもかまいません。自分が続けやすい形で試してみてください。

ステップ1:今の悩みを「質問の形」に書き換える
最初のポイントは、「モヤモヤ」をそのまま書くのではなく、自分に向けた質問の形に変えてしまうことです。
悩んでいるとき、頭の中にはこんな言葉が浮かびやすくなります。
- 「彼と別れるべきかどうか分からない」
- 「このまま結婚していいのか不安」
- 「私は恋愛に向いていない気がする」
これらは、どれも「結論を早く出さなきゃ」というプレッシャーが強い文になっています。
ここから一歩だけ視点を変えて、次のように“質問化”してみます。
- 「彼と別れるべきか?」
→「私は、どんな関係性を大事にしたいのか?」 - 「このまま結婚していいのか?」
→「結婚したいと思える相手・タイミングって、私にとってどんな条件がそろったときだろう?」 - 「恋愛に向いていないかもしれない」
→「恋愛のどんな場面で、一番しんどさを感じているのか?」
ノートの1ページ目の上部に、次のようにタイトルを書いてみてください。
- 今日の問い:_______________
ここに、「自分が自分に投げかけたい質問」を一つだけ書きます。
この一行を書くことで、
- 「正解を探すモード」から
- 「自分の本音を探るモード」へ
そっとギアチェンジしやすくなります。
ステップ2:事実・感情・解釈を分けて書き出す
次に、その問いに関係する出来事や気持ちを、ごちゃ混ぜにせず分けて書くステップです。
おすすめなのは、シンプルな「三列ノート」です。
1ページを三つの縦のエリアに分け、上にそれぞれ次の見出しを書きます。
- 左列:事実(起こったこと)
- 中央:感じたこと(感情)
- 右列:頭に浮かんだ考え(解釈・ストーリー)
イメージとしては、こんな感じです。
| 事実(起こったこと) | 感じたこと(感情) | 頭に浮かんだ考え(解釈) |
|---|---|---|
| 週末の約束を直前にキャンセルされた | 悲しい・またか…というあきらめ | 私は大事にされていないのかもしれない |
ポイントは、「事実」と「感情」と「解釈」をできるだけ丁寧に分けて書くことです。
- 事実:誰が聞いても「そうだね」と言えること
(例:●時にLINEが来た、約束がキャンセルになった、など) - 感情:そのときに湧いた気持ち
(例:悲しい、腹が立つ、不安、さみしい、ほっとした など) - 解釈:その出来事から自分が導き出した意味づけ
(例:「私は優先度が低い」「やっぱり私は愛されない」など)
書き出してみると、
- 事実は一つなのに、感情や解釈がいくつも重なっている
- 解釈の部分だけ極端になっている
といった「思考のクセ」が見えやすくなります。
一度に完璧に書こうとしなくて大丈夫です。
1行だけでも、1つの出来事だけでも構いません。
大事なのは、「頭の中のぐるぐるを、いったん紙の上に出してあげること」です。
ステップ3:一人で抱えきれないときの“外部リソースリスト”を作る

ここでは、「自力でできること」と「外の力を借りること」を分けて考えるワークを紹介します。
ノートを書いていくと、
- 前より整理されて、少し楽になるケース
- 書けば書くほど苦しくなってしまうケース
の両方があります。
後者の場合、一人で抱えるには負荷が大きくなっているサインかもしれません。
そこで、「ノートの最後のページ」に、あらかじめ “外部リソースリスト” を作っておくのがおすすめです。
見出しは、こんなふうにつけてみてください。
- いざというときの相談先リスト
その下に、次のようなカテゴリごとに書き出します。
- 話せる身近な人
- 気持ちをジャッジせずに聞いてくれる友人
- 家族の中で、比較的落ち着いて話せる人
- 専門家・公的な相談窓口
- 心理カウンセリング(対面・オンライン)
- 医療機関(心療内科・精神科など)
- 自治体や団体が行っている、電話・オンライン相談
- 「オンライン カウンセリング サービスを1つ調べる」
- 「住んでいる地域+ 心の相談窓口をメモしておく」
- 自分を落ち着かせる小さな手段専門家ではありませんが、「少し気持ちを落ち着かせるための行動」も、リストに入れておきます。
- 散歩する/シャワーを浴びる/音楽を聴く
- 好きなカフェで30分だけ過ごす
- 深呼吸や簡単なストレッチをする
「今すぐ暴走しそうな気持ちを少し落ち着かせるための“つなぎ”」として役立ちます。
ノートワークのゴールは、一人で全部解決することではありません。
- ステップ1で、「いま本当に向き合いたい問い」を言葉にする
- ステップ2で、「事実・感情・解釈」を分けて、自分の心の動きを見える化する
- ステップ3で、「一人で抱えきれなくなったときの出口」を、あらかじめ準備しておく
この3つがそろうと、
- 迷いの「質」が少しずつ変わっていく
- 「もう限界かもしれない」と感じたとき、外に助けを求めるハードルが下がる
という変化が起きやすくなります。
一冊のノートを使い切るころには、「以前よりも、自分の気持ちを言葉にしやすくなった」と感じられるかもしれません。
それはすでに、恋愛だけでなく「これからの生き方そのもの」を選びやすくする、大切な土台になっていきます。
FAQ|恋愛で悩む大人からのよくある質問

恋愛で悩む大人の方から、よく寄せられる質問をカウンセラーの先生にぶつけてみました。
「こんなことで相談していいのかな」と思っている方ほど、当てはまるかもしれません。
ここでは、インタビューの中で出てきた内容をもとに、恋愛で悩む大人が抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめます。
あくまで一般的な目安ですが、「自分はどうだろう」と照らし合わせるきっかけにしてみてください。
Q1:恋愛の悩みでカウンセリングを受けるのは“重すぎ”ますか?
A:まったく重すぎではありません。恋愛相談は、カウンセリング現場ではごく一般的なテーマです。
インタビューしたカウンセラーは、次のように話していました。
- 「仕事よりも恋愛のほうがつらくなってきて…という相談は、とても多いです」
- 「『別れるか続けるか決められない』『このまま結婚していいのか迷う』といった内容も、よく聞かれます」
カウンセリングというと、
- トラウマや深刻な病気がなければ行ってはいけない
- “本当に限界”になってから行く場所
というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、現場の実感としては、
- 外から見ると「ちゃんとしている」人ほど
- 周りに弱音を吐けず、一人で長く抱え込んでから来る
というケースが多いそうです。
恋愛の悩みは、プライベートな話題だけに、職場や家族には話しづらいこともあります。
だからこそ、
- 評価されずに話せる
- 守秘義務が守られる
場所として、カウンセリングを使う人が増えています。
「これくらいで相談していいのかな?」と迷うときこそ、
「一度、30〜50分だけ話を聞いてもらう」という使い方をしても構いません。
Q2:友達と話すのと、カウンセリングで話すのは何が違うのでしょうか?
A:一番の違いは、「評価されにくい場で、構造的に一緒に整理していく」ことです。
友達に話すことにも、もちろん大きな意味があります。
気心の知れた友人に愚痴を聞いてもらう時間は、心のガス抜きにもなります。
一方で、カウンセリングには次のような特徴があります。
- 評価・ジャッジが入りにくい
- 「それはあなたが悪いよ」「そんなのやめなよ」と決めつけるのではなく、
「なぜそうせざるを得なかったのか」「その裏にどんな気持ちがあったのか」を一緒にたどる姿勢が基本です。
- 「それはあなたが悪いよ」「そんなのやめなよ」と決めつけるのではなく、
- 話を“構造”として整理していく
- 出来事、感情、考え方のクセ、これまでの背景などを、少しずつ整理していきます。
- その中で、「自分のパターン」や「本当に大事にしたい価値観」が見えやすくなります。
- 守秘義務がある専門家であること
- 職場や身近なコミュニティに話が漏れる心配が少ないため、より踏み込んだ話もしやすくなります。
友達に話しても、
- 毎回同じところで堂々巡りになる
- 話した後に、かえって自己嫌悪や気まずさが残ってしまう
ことが続くようなら、一度「第三者の専門家」に話してみるのも一つの選択肢です。
Q3:どのタイミングでカウンセリングを検討したらいいですか?
A:次のようなサインが複数あてはまるときは、「一人で抱えるには負荷が大きくなっている」目安になります。
カウンセラーは、具体的に次のようなポイントを挙げていました。
- 仕事や日常生活への影響が続いている
- 集中力が続かない
- ミスが増えた
- 休みの日もずっと恋愛のことばかり考えてしまう
- 睡眠や食欲の乱れが続いている
- 寝つけない・夜中に何度も目が覚める
- 明らかな食欲不振・過食が続いている
- 自己否定の言葉が増えている
- 「私なんて」「どうせ誰にも愛されない」などの考えが頭から離れない
- 同じ悩みを何ヶ月も繰り返している感覚がある
- 友達にも何度も同じ話をしている
- 自分でも「また同じところで悩んでいる」と感じている
こうしたサインが重なってきたら、
「もうちょっとだけ頑張る」よりも、「一度誰かと一緒に考えてみる」ほうが、結果的に回復が早いこともあります。
もちろん、「ここまで深刻にならないと行ってはいけない」という線引きはありません。
『最近ちょっとしんどい時間が増えてきたな』と感じ始めたタイミングも、十分“検討してよい時期”です。
Q4:パートナーに内緒で相談してもいいのでしょうか?
A:安全と心の健康を守るために、「まず一人で相談する」ことが必要なケースもあります。
「カウンセリングに行くことを、パートナーに言うべきかどうか」で悩む人は少なくありません。
カウンセラーの回答は、次のようなものでした。
- DV(暴力)やモラハラが疑われる場合
- 心身の安全を最優先に考える必要があります。
- 相手に知られない形で、相談機関やカウンセラーに繋がることが推奨されます。
- 相手の反応が怖くて、本音を言えない関係の場合
- 事前にパートナーの許可を取ることが、むしろハードルになってしまうことがあります。
- 「まず自分の気持ちを整理するために、こっそり相談してみる」こと自体は責められるべき行為ではありません。
- 関係を続けるかどうか迷っているとき
- 自分の中である程度考えが整理されてから、パートナーと話し合ったほうが建設的になるケースもあります。
一方で、安全が確保されていて、
- ある程度関係性の土台があり
- 将来的に「二人でカウンセリングを利用する」という可能性も検討できそうな場合
には、どこかのタイミングで「一人で相談に行ったこと」を共有したほうが、
二人で問題を扱いやすくなることもあります。
いずれにしても、「相談すること自体が悪い」ということはありません。
まずは、自分の心と身体の安全を守ることを優先して考えてよい、というメッセージを、カウンセラーは強調していました。

「相談していいかどうか」をいつまでも悩み続けるより、「少し話してみたい」「一人で抱えるのがしんどくなってきた」と感じたタイミングを、一つの大切なサインとして受け取ってもよさそうです。
どこで・誰に相談するかを選ぶことも、恋愛と人生の中で“自分を大事にする行動”の一つと言えるでしょう。
まとめ|恋愛の悩みは“弱さ”ではなく、生き方を見直す入口になる
今日のインタビューと整理したポイントの振り返り
この記事では、心理カウンセラーへのロングインタビューを通して、「恋愛で悩む大人たち」がどこで立ち止まりやすいのかを、一つずつ言葉にしてきました。
まず前半では、
- 結婚するか別れるか決められない
- 既婚者との関係をやめたい
- 長年一緒にいるパートナーとの温度差に悩んでいる
- そもそも恋愛すること自体が怖くなっている
といった、「大人の恋愛ならではの迷い」があることを見てきました。
続くパートでは、カウンセラーが現場でよく受け取る相談をトップ5のランキング形式で整理し、さらにテーブルで「表の相談テーマ」と「その裏にある本当の悩み・不安」をマッピングしました。
表向きには「別れるべきかどうか」「結婚していいのか」というテーマでも、その奥には「一人になる怖さ」「老後やお金の不安」「自分に自信が持てない感覚」などが潜んでいることもありました。
中盤のケース紹介では、
- 5年付き合った相手と「結婚か別れか」で揺れる30代女性
- 既婚者の相手との関係をやめたい40代男性
- 「恋愛したいのに誰も好きになれない」30代後半
といった、匿名のストーリーを通して、「正解を教えてもらう場」ではなく、「自分の本音に少しずつ近づいていくプロセス」としてのカウンセリングの姿が浮かび上がりました。
そして後半では、
- 自分でできる「恋愛の悩みの整理ノート」のつくり方
- カウンセリングを検討するタイミングの目安
- カウンセリングにまつわる不安や疑問へのFAQ
を通して、「いきなりすべてを話せなくても、少しずつ言葉を取り戻していける」道をいくつか提示してきました。
ここまでを通して見えてくるのは、恋愛の悩みは、単なる“恋愛の問題”にとどまらず、その人の生き方・価値観・孤独感・将来への不安と深く結びついているということです。
「恋愛で悩む自分」を責めすぎないために
大人になると、「こんなことで悩んでいるなんて情けない」「もっとしっかりしていれば、恋愛なんかで振り回されないはずだ」と、自分を責める声が強くなりがちです。
社会人として、家族の一員として、職場や周囲から“ちゃんとした大人”であることを求められるほど、「恋愛のことでぐらぐらしている自分」が許せなくなることもあります。
けれど、インタビューの中でカウンセラーは繰り返しこう語っていました。
- 恋愛で悩む人は、決して「弱い人」ではない
- むしろ、自分と相手の人生を雑に扱いたくないからこそ、迷い、足を止めて考えようとしている
- 「このままでいいのか」「本当にこの選択でいいのか」と問うことは、自分や相手を大切にしたい気持ちの裏返しでもある
つまり、恋愛で悩むことは、未熟さの証拠ではなく、「自分や相手を大事にしたい」という感性が働いている証でもあるということです。
もちろん、悩みすぎて日常生活が崩れてしまう前に、外部の助けを借りることは大切です。
その一方で、「悩んでいる自分」をただ否定するのではなく、
- 何をそんなに怖がっているのか
- どんな未来を失いそうで不安なのか
- 本当は、どんな関係を望んでいるのか
と、少しずつ問いかけていくことは、生き方そのものを見直す入口にもなります。
恋愛で行き詰まったときこそ、
「私は、どんなふうに誰かと関わりたいのか」
「どんな毎日を、どんな相手と過ごしていきたいのか」
という、少し大きな問いに触れるチャンスなのかもしれません。
ことのは所長のラボノート

恋に迷う大人たちは、決して未熟なのではないのじゃ。
むしろ、自分と相手の人生を軽んじたくないからこそ、足を止めてしまうことがある。
大切なのは、「迷わない人」になることではなくての。
迷ったときに、ひとりで抱え込まない道を、いくつか持っておくことかもしれぬのう。
恋愛の悩みとは、心のどこかから届いた小さな手紙のようなものじゃ。
その手紙を破り捨てず、そっと開いてくれる相手が、カウンセラーであっても、友であってもよい。
どうかその一通一通を、自分を責める証拠ではなく、“これからどう生きていきたいか”を考えるための手がかりとして扱ってやってほしいのじゃよ。


