彼氏・彼女がスマホばかりで寂しい時|伝え方と二人のルール
向かいの恋人が、スマホを見たまま「うん」と答えます。
聞こえていないわけではなさそうです。それでも、今日あった出来事の続きを話すのをためらう。久しぶりに会えた日なら、「私と一緒にいる意味はあるのかな」とまで考えてしまうかもしれません。
彼氏や彼女がスマホばかりで寂しい時、その気持ちをわがままと片づける必要はありません。ただ、画面を見ていることだけで「もう好きではない」とも判断できません。
まず伝えたいのは、どの時間を一緒に過ごしたいのかです。たとえば、こんなお願いから始められます。
一緒に食べている時、話が途中で止まると寂しいんだ。今日は食事の最初の10分だけ、スマホを置いて話せる?
「仕事だから」「ちゃんと聞いてるよ」と返されたら、どこまでお願いしてよいのでしょうか。気持ちを伝えられた後も、言葉に迷う場面はあります。

寂しいと伝えたいだけなのに、「重い」と思われそうで黙ってしまうことがあります。

相手の自由を大切にすることと、自分の寂しさを黙って抱えることは別じゃ。どんな時間を一緒に過ごしたいのか、そこから相談してよいのじゃよ。
恋人がスマホばかりで寂しい時、最初に確かめたいこと
スマホを置いてくれたら、寂しさはなくなるでしょうか。
話を聞いてほしい時なら、置いてくれるだけでも安心するかもしれません。一方、画面を閉じても返事がないままなら、物足りなさは残ります。困っているのは、使用時間だけとは限りません。
寂しいのは「スマホの使用時間」より「話を受け止めてもらえない場面」かもしれない
たとえば、仕事でうまくいったことを話した時、相手の返事が「へえ」だけで、そのまま動画に戻ってしまったとします。
長い会話をしたかったわけではないかもしれません。「よかったね」と一緒に喜んでほしかった。その応答がないために、同じ場所にいても寂しく感じることがあります。
目の前の恋人とのやり取りよりスマホを優先し、相手をないがしろにする行動は、研究で「パートナー・ファビング」と呼ばれています。
2025年に公表されたメタ分析では、52研究、合計19,698人のデータをまとめ、こうした行動と関係満足度の低さなどとの関連が報告されました。ただし、多くの研究は一時点の調査です。スマホ使用が関係を悪くしたのか、関係の問題がスマホ使用に影響したのかまでは断定できません。
出典:www.frontiersin.org
相手を診断する材料にはなりません。それでも、話を聞いてもらえないつらさを「スマホくらいで」と小さく扱わなくてよいのです。

スマホを見ることだけで「冷めた」「浮気している」と決めつけない
画面の向こうで何をしているのかは、見ている側には分かりません。
急ぎの仕事、家族への返事、つい開いたSNS、休憩のための動画。理由は複数考えられます。二人の関係から距離を取りたい場合もあるでしょうが、使っているという事実だけでは区別できません。
寂しさが強い時には、事実と想像が混ざります。たとえば、次の三つは別々の情報です。
起きたこと:夕食中、話している途中で相手がSNSを開いた。
自分の気持ち:話を聞いてもらえず、寂しかった。
まだ分からないこと:なぜ見たのか、今の関係をどう感じているのか。
理由を確かめる前に「私に冷めたんだね」と伝えると、本当に相談したかった夕食中の過ごし方から話が離れてしまいます。
寂しかったことは伝えられます。相手の本心は、まだ確認が必要です。
一緒に過ごす時間と、それぞれ休む時間の認識をそろえる
同棲中は、同じ部屋にいる時間が長くなります。
片方は「やっと二人で話せる時間」と思っていても、もう片方は「帰宅して自由に休む時間」と考えているかもしれません。どちらも相手を嫌っていなくても、期待が合わなければ不満は残ります。
たとえば「帰宅後は少し一人で休んで、夕食の時に今日の話をする」と決めれば、会話を待つ人にも見通しができます。
無言の時間までなくす必要はありません。二人とも楽しんで動画を見たり、隣で別々のことをしたりして、心地よく過ごせる場合もあります。
静かになること自体が不安なら、無言でも安心できる関係の作り方も参考になります。
スマホばかりの恋人に、寂しい気持ちを伝える3ステップ
「言わなくても気づいてほしい」と思うことはあるでしょう。
何度も生返事が続けば、説明することさえむなしく感じます。ただ、まだ具体的に話したことがないなら、相手は何がつらいのかを知らない可能性があります。

「寂しい」より先に「またスマホ?」と言ってしまいそうです。

起きたこと、自分の気持ち、お願い一つ。この三つに分けると、相談したい内容が整理できます。
ステップ1|落ち着いて話せるタイミングと、一つの場面を選ぶ
最初から、これまでの不満をすべて並べなくても構いません。
「いつも携帯ばかり」ではなく、「昨日の夕食で、私が話している途中に動画を見ていた時」と一つの場面に絞ります。その方が、相手も何について話しているのかを確認できます。
急ぎの連絡に対応しているなら、「落ち着いたら、昨日のことで少し話したい」と伝える方法もあります。
ただし、話せる時を待つことと、いつまでも先延ばしを受け入れることは違います。「今は無理」が続くなら、話せる時間を相手からも提案してもらう必要があります。
スマホのことを切り出すと、いつも言い合いになってしまう場合は、話し合いの段取りと、中断・再開の合図を決める方法も参考になります。話す時間や議題を決めてから相談したい時に役立ちます。
ステップ2|「寂しい」と「こうしてほしい」を短く伝える
相手の行動を指摘するだけでは、代わりに何をしてほしいのかが伝わらないことがあります。
「スマホを見ないで」の後に、「食事の始めだけ話したい」「この相談の間は画面を閉じてほしい」と希望を添えます。
Gottman Instituteも、問題を話し始める時には、相手を責める言い方を避け、自分の気持ちや必要としていることを伝える方法を紹介しています。
出典:www.gottman.com
ただし、「私は、あなたが自分勝手だと思う」では、自分を主語にしても人格への批判が残ります。「寂しかった」「少し話したかった」の方が、今の困りごとを表せます。
場面別・寂しい気持ちの伝え方
| 場面 | 伝え方の例 | 相談すること |
|---|---|---|
| デート中の食事 | 話が途切れると寂しいんだ。最初の10分だけ、スマホを置いて話せる? | 短い会話時間 |
| 同棲中の帰宅後 | 今日のことを少し聞いてほしい。休憩した後、話せる時間を決めたいな。 | 休息と会話の時間 |
| 大切な相談の途中 | 大事な話だから、スマホを置いて聞いてもらいたい。今と後なら、どちらが話しやすい? | 集中して聞ける時 |
| ゲームが終わらない | 一緒に過ごせなくて寂しい。今日は何時まで遊ぶ予定? その後、少し話せる? | 終了の見通し |
ずっと目を合わせてもらう必要はありません。画面を閉じる、言葉を返す、聞ける時間を決めるなど、落ち着いて話せる形は二人によって違います。
ステップ3|相手の事情を聞き、できる約束を一つに絞る
お願いを伝えた後は、相手の返事も聞きます。
「夕食時は仕事の連絡が来やすい」と言われたら、別の時間なら可能かを相談できます。「帰宅直後は疲れて話せない」なら、休憩を挟む方法もあるでしょう。
一つの提案を断られたことだけで、拒絶されたとは限りません。代わりにどうするかを一緒に考えられるかが、次の判断材料になります。
自分も同じ場面ではスマホを置きます。相手の事情に合わせて時間を変える時も、話したいという希望まで取り下げなくて構いません。

「聞いてるよ」「仕事だから」と返された時の伝え方
気持ちを言葉にしたのに、思っていた返事が来ない。そこで何も言えなくなることもあります。
反論に一つずつ勝とうとすると、会話は続いても寂しさの相談が進みません。相手の説明を聞いたうえで、まだ満たされていない希望を短く伝え直します。
「ちゃんと聞いてるよ」には、聞いてほしい形を具体的にする
「じゃあ、今の話を言ってみて」と確かめたくなるかもしれません。
本当に聞いていたか知りたくなるのは無理もありません。ただ、内容を覚えていたとしても、寂しさがなくなるとは限りません。返事や反応も欲しかったのではないでしょうか。
聞いてくれているのは分かった。今日は少しつらい話だから、この話の間だけ画面を閉じてもらえると安心する。
今すぐ聞く余裕がないなら、いつなら話せるかを決めます。「聞いているつもり」と「聞いてもらえている実感」の違いを、正誤の争いにしないためです。
「仕事だから仕方ない」には、再開できる時を確認する
仕事を優先しなければならない場面はあります。
それでも、何も言われないまま長く待つのはつらいものです。仕事をやめてもらうお願いではなく、終わった後の過ごし方を確認できます。
必要な連絡なのは分かった。終わったら教えてもらえる? その後、話の続きをしたい。
長引きそうなら「今日は落ち着いて話せそう? 難しければ別の時間を決めたい」と相談します。仕事であることを証明するために、相手の画面や連絡内容を見せてもらう必要はありません。
「束縛しないで」には、共有したい時間を伝える
スマホの中身を知りたいのか、二人で話す時間が欲しいのか。ここが曖昧なままだと、相談している範囲がすれ違います。
誰と連絡するかを管理したいわけではないよ。食事の最初だけ、二人で話せる時間がほしいんだ。
もし「一緒にいる間は一切使わないで」と求めていたなら、範囲を小さくする余地があります。一方、具体的な提案もすべて「束縛」で終わってしまうなら、「どの時間なら一緒に話せそう?」と相手の考えも聞いてみます。
提案への返事がなく、言い方の批判だけが続くなら、話し合いが成立しているかも確かめる必要があります。
二人のスマホルールは、場面・例外・見直し方まで決める
「今度から気をつけるね」と言ってもらえたら、少し安心します。
ところが、翌日の食事中に通知が鳴れば、また同じことが起きるかもしれません。何を気をつけるのか、必要な連絡はどうするのかが決まっていないと、その都度判断に迷います。

仕事の連絡が来たら、約束はどうするの? 「使っちゃダメ」だけじゃ、二人とも困りそうだね!
最初は「食事の最初だけ」など、小さな場面から試す
約束する場面は、一つから始められます。
夕食の最初、大切な相談をする間、週末にお茶を飲む時間。二人が一緒に過ごしたい場面を選び、そこではスマホを置くと決めます。
置き場所も、それぞれが決められます。相手に預けたり、取り上げたりする必要はありません。気が散るなら、自分のバッグや少し離れた場所に置く方法があります。
その時間が終わった後は、各自の過ごし方も尊重します。
内閣府の「安心できる関係づくり」でも、二人の時間と、それぞれの私的な時間の両方を大切にすることが示されています。
出典:www.gender.go.jp

仕事・家族の緊急連絡と、会話へ戻る合図を決める
急ぎの連絡が来る日はあります。
仕事や家族への対応は例外にできるか、地図や予約の確認はどうするかを相談しておきます。緊急時には、先に説明する余裕がない場合もあります。通知をすべて切ることや、毎回詳しい内容を話すことまで条件にしません。
中断する側は、可能なら「仕事の返事を一つ返すね。終わったら続きを聞きたい」と伝えます。そして、用事が終わったら自分から戻ります。
返事が終わったよ。途中になってごめん。さっきの話、続きを聞かせて。
待っていた側が、毎回「もう終わった?」と確認しなくてもよくなります。スマホを置くだけで終わらず、途切れた会話を再開するところまでが一つの約束です。
離れている時の返信頻度にも悩んでいるなら、不安を減らすLINEルールの作り方で、連絡する側と待つ側の負担を整理できます。
お試しシートに書き、一週間後を目安に見直す
最初の約束が、そのままずっと合うとは限りません。
食事中より食後の方が話しやすかったり、平日と休日では事情が違ったりします。まず試す期間を決め、その後に続け方を相談できます。
二人のスマホルール・お試しシート
| 決めること | 二人で書く内容 |
|---|---|
| 大切にしたい場面 | 私たちは[ ]の時間を一緒に過ごしたい。例:夕食の始め |
| 試す行動と範囲 | その間は二人とも[ ]する。例:最初の10分だけスマホを置く |
| 例外にする用事 | [ ]は対応する。例:仕事・家族の急ぎの連絡 |
| 中断と再開の合図 | 中断する時は[ ]、終わったら対応した側から[ ]と伝える |
| 忘れた時の対応 | [ ]の一言で知らせる。例:「今は話す時間だったね」 |
| 見直す日 | [ 月 日]に、話せた実感・負担・変えたい点を確認する |
「10分」「一週間」は試し方の例です。研究で確立した最適な時間や期間ではありません。二人が無理なく試せる長さに変えて構いません。
見直す時には、「何分スマホを見たか」だけでなく、「前より話を聞いてもらえた感じがしたか」「休みたい時間が削られすぎなかったか」も確かめます。
忘れた日があれば、その理由を振り返ります。長すぎたなら短くする、忙しい時間帯なら移す。罰や確認項目を増やす前に、約束そのものを調整できます。
謝って仲直りしても同じことが続く場合は、同じ喧嘩を繰り返さないための再発防止ルールも参考になります。次に同じ場面になった時の行動や、約束を守れなかった時の対応を具体的に決められます。
話しても変わらない時は、スマホより向き合い方を見る
約束を作っても、また同じ場面で寂しくなる。そうなると、「もっと上手に言えばよかったのかな」と自分を責めるかもしれません。
伝え方を変える余地はあっても、二人の問題を片方だけで解決することはできません。相手にも、聞くことや調整することを担ってもらう必要があります。
一度忘れたことと、何度も気持ちを軽く扱うことを分ける
スマホを開いてしまっても、声をかけた時に閉じる、自分から会話に戻る、無理な約束なら代案を出す。そうした行動があれば、まだ調整できる部分があります。
一方、毎回不満を笑われる、話し合う時間を一切作ってもらえない、約束について相談すること自体を拒まれるなら、違う問題が残っています。
一度の失敗だけで判断せず、その後の対応まで見ます。
謝罪に加えて、次の食事で話を聞こうとしてくれたか。忙しい日は別の時間を提案してくれたか。実際の行動が変わっているかも、関係を考える材料になります。
別れを考えるなら、話し合いと行動の両方を振り返る
「スマホ程度で別れるなんて」と思うかもしれません。
けれど、つらいのは端末そのものではなく、何度伝えても気持ちを取り合ってもらえないことかもしれません。その場合、我慢できるかだけで関係を続ける必要はありません。
判断に迷う時は、次の点を分けて考えられます。
スマホをよく見る人とは別れるべき、と一律には決められません。反対に、別れを考えるほどつらい気持ちを、理由が小さいからと取り消す必要もありません。
「やめないなら別れる」と従わせるために告げることと、自分が関係を続けられるか判断することは別です。自分にとって必要な会話や尊重があるかを、実際のやり取りから考えます。
スマホ以外でも、予定や言葉の扱われ方に寂しさを感じる時は、大切にされていない気持ちを、期待と事実に分ける整理法も参考になります。関係を見直す前に、何が起きていて、自分は何を望んでいるのかを整理できます。
怒鳴る・脅す・物に当たる反応がある時は、安全を優先する
スマホのことを話すたびに怒鳴られる。物を投げられたり、帰ろうとして止められたりする。そうした時は、落ち着いた言い方を探し続けるより、安全を確保する必要があります。
二人きりで説得を続けず、信頼できる人や相談窓口に状況を話して構いません。怖さがあるなら、別れ話を直接二人だけですることにもこだわらないでください。
内閣府の恋人を怖い・息苦しいと感じる人への案内では、交際相手からの暴力の例と相談先を確認できます。怖かった出来事を、一人で抱え続ける必要はありません。
出典:www.gender.go.jp
恋人がスマホばかり見る時のFAQ
自分もスマホを見るのに、恋人へお願いしてよいですか?
お願いして構いません。「私も見てしまうことがあるから、食事の最初だけ二人とも置こう」と、自分も参加する約束にできます。
自分の使い方を振り返ることと、寂しさを我慢することは別です。過去に一度でも使った人は何も言えない、という話ではありません。
一緒に動画やSNSを見ていても、スマホを置いた方がよいですか?
二人とも楽しんでいるなら、一律に置く必要はありません。写真を見返す、行きたい店を探すなど、一緒に使う時間もあります。
ただし、片方が付き合って見ているだけの場合もあります。「まだ見たい? 少し話す?」と確認できれば、同じ画面を見続けることが義務にならずに済みます。
浮気が不安です。スマホの中身を確認してもよいですか?
使用量だけでは浮気の有無は分からないため、無断で中身を確かめることは勧められません。
会う約束が減ったなど、具体的に気になった変化と不安を言葉にして相談します。ロック解除を断られたこと自体も、浮気の証拠にはなりません。位置情報まで確認したくなる場合は、信頼とプライバシーを守る話し合い方も参考になります。
夫・妻がスマホばかりの場合にも、このルールは使えますか?
会話の時間や中断時の合図を相談する方法は、夫婦でも使えます。
ただし、一方が家事や育児をしている間に、もう一方がスマホを使い続ける場合は、役割分担の問題もあります。10分話せるようになっただけで負担の偏りが解決したことにはせず、誰が何を担うかも別に相談する必要があります。
まとめ|二人で向き合える時間を少しずつ作る
向かいの恋人に「うん」とだけ返されて、話すのをやめた夜。その時に欲しかったのは、今日の出来事を少し聞いてもらうことだったのかもしれません。
今夜伝えるなら、つらかった場面を一つ選び、「寂しかった」と「こうしてほしい」を短く添えます。話せる時間が決まったら、二人で試し、無理があれば見直せます。
そのお願いに、相手がどう応じるかも見てよいのです。
会話を始める工夫はできても、聞く役まで一人で担うことはできません。「今日、こんなことがあったんだ」と、途中で諦めずに話せる時間を、二人で作っていけるか。そのやり取りを確かめるところからで十分です。
ことのは所長のラボノート

寂しいと伝えることは、相手の自由をすべて奪うことではないのじゃ。
あなたが話したい時間も、相手が休みたい時間も、相談してよい。
その相談を二人で続けられるかが、大切なのじゃよ。


